【新川優愛】子育て、夫婦関係、仕事。今だから話せる、母になってからのこと
■30歳という節目で真剣に考えた、自分自身の仕事について ――昨年末に30歳を迎えたことで、今までと将来について思うところはありましたか? 新川さん 30歳という節目で、すごくいろいろなことを考えました。結婚していなかったら、子どもがいなかったら、という人生はわからない。けれど、仕事については、30歳というタイミングがかなり大きくて。このままずっと続けていけるだろうか、って、具体的にかなり真剣に考えたんです。例えば、自分はほかに何ができるか、まったく違う仕事はできるだろうか?とか。転職するなら顔がバレないほうがいいから、裏方のお仕事はどうだろう、パートだったら夫の扶養に入ると収入制限があるのか……とか(笑) ――そこまで具体的とは! でも、新川さんには「仕事をしない」ということは選択肢にはないようですね 新川さん そうですね。ずっと仕事はしていきたい。実際のところは、1年間、がっつり子どもと過ごせたので、モデルと俳優としてのお仕事をこの春から再開しています。7月スタートのドラマ(※)への出演が決まり、今は、私はドラマの撮影、子どもは保育園、という生活に。日によって子どもの成長ぶりも違えば状態も違うので、ペースをつかむというより、目の前で起きるものごとについてゆくのに必死という感じです。 ――芸能活動を本格的に再開するのは約2年ぶりということで、気負うところや不安に感じることはありましたか? 新川さん ありました、ありました! 最初は「仕事のチャンネル、どこにあったっけ?」というところから。出産前のことを全然思い出せなくてびっくり、自分自身がこれまでと違ってしまったようです。今回の撮影でのポージングでも「どうやって表情を作って動くんだっけ?」「顔に手を? 当てて? えーと」って(笑)。 産後の仕事復帰で、以前の自分をすぐ取り戻せる人もいれば、私みたいに訳わかんなくなっちゃう人もいるんでしょうね。現場で求められている正解がわからないというのは戸惑います。本当は正解にしてから仕事復帰しなければいけないんでしょうけれど、難しい。 ※「クラスメイトの女子、全員好きでした」(日本テレビ・読売テレビ系 毎週木曜23時59分~)で、新川さんは主演・木村昴さんのバディ役に。 ■変わることと変わらないことを柔軟に。答えを模索するときも楽しんでいたい ――「どうやって仕事していたか思い出せない!」という新川さんですが、今回の撮影現場では、ひさしぶりの感覚を取り戻しながら、変わること、変わらないことを楽しんでいるように思えました 新川さん そうですね、今のこの環境でも私はお芝居をし続けていくわけで、やっぱり、どこか変化している自分の表情を発見するときがあります。新鮮かつ、懐かしさもありつつ、きっとずっと変わり続けていくんだろうな、と思うと、それはそれで楽しみな部分でもあります。私も子どももいろいろな変化を体験するだろうし。面白がっていければいいですね。根底として、気持ちは変わらないでいたいし、大切にしたいものを大切にしたい。そこに嘘はつきたくない。変わらないためには変わっていくことも必要。柔軟にいけたらいいなと思っています。 ――今、新川さんが大切にしている変わらないものとは? 新川さん 挨拶です(即答)。特に「おはようございます」と「おつかれさまでした」は絶対! 仕事だけじゃなく、どんな場面でも、人とのつながりの中で挨拶は大切。家族間でも「おはよう」「おやすみ」「気をつけていってきてね」と声をかけるコミュニケーションって、いつでも変わらずにできることですから。 あとはやっぱり楽しむことかな。お芝居でも暮らしでも、たぶん気持ちが行き詰まるときだってあるでしょう。難しいな、って思うときも、答えを模索していることが楽しいって思いたい。それに、何をどう楽しむかっていうことは、自分で選びとっていきたいなと思います。 モデル、俳優 新川優愛 1993年生まれ。埼玉県出身。10代の時より芸能活動を始め、「Seventeen」「non-no」「MORE」「BAILA」など数々の雑誌の専属モデルとして人気を博し、俳優として、映画「老後の資金がありません!」(21年)、NHK 連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(22年)などに出演。バラエティー番組、舞台、CMなど幅広く活躍。西武ライオンズファンとしても知られる。2024年7月11日スタートの ドラマ「クラスメイトの女子、全員好きでした」(NTV/YTV系)に出演が決定している。 ドレス¥75250/KLICHÉ http://www.kliche.jp/ 撮影/松岡一哲 ヘア&メイク/河嶋希(io) スタイリスト/辻村真理 取材・文・構成/久保田梓美