気温が下がり「貧血」「冷え性」が悪化する人は要注意!「寒さを感じる季節に気をつけたい疾患」とは? 血液内科教授が解説
モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。「NEW TREND ONE」のコーナーでは、今、新しい生活の中で注目されているアイテム・企業・人物などにフォーカスします。 10月28日(月)の放送では、「寒さを感じる季節に気を付けたい疾患」に注目! 埼玉医科大学病院 血液内科 教授・宮川義隆さんをゲストに招き、気温が下がる時期に注意が必要な貧血について伺いました。
◆秋・冬に症状が悪化する「寒冷凝集素症」とは?
朝晩に肌寒さを感じる季節になりました。気温が下がると、風邪やインフルエンザなどの感染症が増えます。特に高齢者の場合、肺炎になると入院が必要になることもあり注意が必要です。普段から貧血気味で冷え性の方で、毎年、気温が低くなる季節に特にひどくなり、だるさ・息切れなどの症状が出る場合は、貧血の一種である「寒冷凝集素症(かんれいぎょうしゅうそしょう)」という病気を疑って、詳しく調べたほうが良いと提言する宮川さん。 寒冷凝集素症は、血液の難病です。寒くなると手足の血の巡りが悪くなり、冷え性として感じたり、指先などが痛くなることがあります。体を冷やすと、体の中で赤血球が壊れて、立ちくらみ、息切れ、疲れやすいなどの貧血症状が現れ、尿が赤くなることもあります。 また、夏場にエアコンで体を冷やしても、症状が出ることでも知られています。宮川さんは「アイスクリームを食べると、舌が冷えて青く色が変わり、舌と食道に痛みを感じることもあります」と解説します。 寒冷凝集素症は、寒い季節に症状が出やすい一方で、エアコンの冷気や冷たい飲食物などに触れる機会の多い夏にも症状が出ることがあります。そのため、一年を通して注意が必要です。ある調査によると、寒冷凝集素症を含む自己免疫性溶血性貧血(国の指定難病)という特殊な貧血の患者は国内に約2,000人いるとのこと。そのうちの8%が寒冷凝集素症で、患者数としては約160人と推測されますが、実際にはさらに多い可能性もあります。 最後に宮川さんは「気になる方は血液内科への受診をおすすめしますが、もし事前にインターネットで調べたい場合は、難病医学研究財団が運営する難病情報センターのWebサイトや、製薬会社のサノフィ株式会社が運営する寒冷凝集素症(CAD)の情報サイト『Change Anemic Days』などを参考にしてください」と呼びかけました。 今回紹介した寒冷凝集素症の典型的な症状や、病気の原因について、ユージが宮川さんにインタビューした模様の完全版はTOKYO FM公式YouTubeチャンネルの動画で無料公開中です。 (TOKYO FM「ONE MORNING」2024年10月28日(月)放送より)