【衝撃の音声データ】「ヤクザの世界だったら指詰め」…世界的トップブリーダーが犯したパワハラの「壮絶すぎる全容」
本人たちに直撃してみると……
元従業員男性のA氏は、絶対的な上下関係のもと、住み込みという外界から制限された環境下で長時間にわたる労働をした上で、日常的に嫌がらせや脅迫とも取れるような言動に晒されていたのだ。 証拠として提出された音声内容を確認したが、主張の根拠も曖昧で同じ内容の繰り返しが多く、言葉も感情的で聞くに堪えない。その日、その時間に、長時間をかけるべき内容だとは到底思えない。さらに、経営者ら二人から解放されたあとに、A氏は休む暇もなく日常の仕事に従事している。 労働環境の改善が求められている現代において、このような状況が罷り通っていることはにわかに信じ難い。それも特定の一人だけではなく他の従業員に対しても同様の扱いをしている事実を鑑みると、行政による指導が急務のように思えるのだが、本人たちはどのように捉えているのだろうか。 都内でトリミング教室を終えた二人に声をかけてみた。音声の内容について、本人であるかの確認とともに、なぜあのような内容の叱責をしたのかを直接伺いたかったからだ。 ところが露木氏と見市氏は、取材に対応しない旨と弁護士に依頼していることを繰り返すのみ。本誌記者が代理人の名前や連絡先を尋ねても答えようとしなかった。 日時を設定して改めて話を伺いたいと伝えたが、「話す理由がない」と取り付く島もない。ようやく「誠意を持って粛々と対応する」という言葉を弁護士の提案で二人から得ることができたが、両人からは言葉通りの印象を受けることはできなかった。
弁護士の見解は
本件訴訟を担当する並木陽介弁護士に見解を伺った。 「犬と接することの多い職業柄だからなのか、唸り声をあげて原告男性を威嚇していることが印象的でした。犬に対する調教の仕方を、従業員に対しても常時行っているのではないかと想像してしまいます。 徒弟制度のような古い習慣が残っている業界であるのかもしれませんが、深夜から長時間にわたる叱責、そして原告の占有している部屋に許可なく立ち入ること、また叱責の内容など、主従関係の出来上がっている中での出来事ですので、音声を聞く限りパワハラであると認定せざるを得ない状況だと考えています。 提出された準備書面の内容からも、当日のその時間帯に長時間にわたり原告に対して執拗に責め立てる理由が明確ではありません。閉鎖的で、かつ主従関係の出来上がっている関係性の中、原告を精神的に追い込むためにあえて苛烈で卑猥な言葉を使い、元々あった上下関係をさらに意識にすり込んでいるのではないかと思われます。 そもそも叱責の目的が不明なのです。深夜のやり取りの中で、従業員の男女間の交際にも多く触れています。プライベートな時間、プライベートな場所で交際をしていること――それをあたかも悪いことであるかのように、辱める目的が理解できません。もし、あのような叱責につながるきちんとした理由があるのであれば、明らかにしてもらいたいと思うのです。明らかにできなければ、合理的な理由などないということが浮き彫りになると考えます」 日本は世界一のパワハラ大国だと言われている。個人よりも世間体や組織を大事にするお国柄と、驚異的な我慢強さが問題を発覚しにくくしている。序列が確立し、外部から遮断され、ひたすら忍耐を強いられる組織には未来はない。切りつけた刀は必ず自分の元に返ってくる。自分達のこれまでの軌跡を振り返り、数々の賞賛を受けた恩返しを従業員達にも返す時なのではないだろうか。 【詳しくはこちら】『“お前のアソコをちょん切ってやりたい”…元従業員からパワハラで提訴された「世界的トップブリーダーの凶行」』
週刊現代、野田 洋人