「NFTは死んでいない」代替できない唯一無二な特徴をもつNFTだからこそできる役割とは?
NFTが大きな話題となり、その最前線にいる約20人がその可能性と未来について書いた『NFTの教科書』が2021年に発売されてから3年。NFT、そしてweb3業界の景色は一変した。生き残ったもの、淘汰されたもの、これから成長するもの、さまざまなビジネスモデルが存在している。現在アニモカブランズで副社長COOを務める天羽健介が、最新刊『新NFTの教科書』を書くことになった背景と意図を解説する。 ■NFTは死んでいない。ブームを経て新たな局面に突入 2021年3月から世界的ブームとなったNFT(Non-Fungible Token=非代替性トークン)ですが、当時はTwitter(現X)の共同創業者であるジャック・ドーシーのツイートが3億円で落札されたり、アーティストのBeeple(ビープル)の絵が数十億円で取引されたり、Bored Ape Yacht Club(BAYC)の猿のイラストが5000万円で売買されたり、ニュース性をもった話題が世界中を駆けめぐりました。 しかし、ブームが過熱するとGoogleの画像検索で出てくる画像をブロックチェーンに紐づけただけのものが販売されるなど、NFTを使う必要のないものが出回りNFT業界が迷走した時期もありました。その後、そういったものは次々とマーケットから淘汰されていき、最近では市場価格の急落とともに「NFTは死んだ」と言われることもあります。とにかくアップダウンが激しい3年間でしたが、この黎明期のさまざまな局面において私は良い時も悪い時もずっとこの市場を近くで見てきました。だからこそはっきりと断言できます。 「NFTは死んでいない」 あれから3年、世界中ではさまざまな実験的取り組みが行われ、かたちを変えながらNFTの事例が出現し、新しいweb3時代の局面に突入しています。 ■web3が普及した未来と私たちの生活 あらためてここでweb3が普及した社会についてイメージを共有しておきたいと思います。キーワードは2つ。「情報やデータの民主化」と「トークンコミュニティとの共創」です。