「親の言葉」は本当に軽く扱われる。子の人生にかかわることでも
こんにちは。外科医ちっちです。 うちの3人の子どもは、全員が自閉スペクトラム症の診断を受けており、いくつかの困りごとを抱えています。一緒に生活するうえで、「こんな発想でこんなことをしてしまうのか」と驚かされることもあれば、「こうとしか考えられないのか」と辛い思いをすることもあります。この連載では、軽度の発達障害のわが子の日常や、子育ての様子を徒然なるままに綴ります。世の中にはこんな「変わっている子」「変わっている人」もいることを、いろいろな方に広く知ってもらい生きやすい世の中になるのを目標にしています。今日は「親の言葉は軽んじられる」についての記事です。
やむなく転校を決めてから、校長に言われた一言
この春小学3年生になる次男。小1の夏休み明けから学校に行けなくなり、現在は週1コマ通級に登校しています。家庭での活気は戻ったものの、今のクラスには通えなさそうなので、思い切って学区変更のため、別の自治体に引越しを決めました。 そして、学校にも伝え、次男にとって残りあと数回の登校だったある日のことです。学校へ迎えに行くと、校長先生とすれ違いました。その時に校長先生から一言。 「あの検査結果だったら、知的級で行けましたね」 と笑いながら言われました。 元々、35人の普通級は難しそう。でも、今の自治体には普通級と知的級の設置しかない。なので、選択肢としては通級(個別)か知的級(最大8人)なら通えそうと、WISC 検査の結果(境界知能)を提出しながらお願いしていました(小2春)。 その時、「通級は空きがない。知的級に転級する検討には1~2年かかるから、早くても4年生から。そもそも1年生の様子を見ている限り、知的級っていう感じじゃない。戻りたくなってもまた1~2年かかる」と言われ、仕方がないとあきらめた経緯があります。当時の校長先生の言葉は、頭から離れませんでした。
主観だけで「知的級は無理」と言われた…?
今回、引っ越しを決めてから校長先生に言われた「あの検査結果」とは、新しく出したものではありません。小1の終わりのWISCであり、小2春の話し合いできちんと提示したもの。転校にあたり、検査結果をくださいと言われたので、再び提出したのでした。 つまり、先生は境界知能という結果を見ずに話し合いに参加し、校長先生から見た感じだけで、「知的級は無理」とおっしゃっていたのだと思います。 こちらは必死に、次男の人生に関わる選択として熟慮を重ねて、親の主観だけでなく客観的データを合わせて提案しました。 その結果の返答は、学校の代表者としての最終決定だと受け取りました。 合っていなくて知的級に入りたいと希望して、「検討や会議に2年が必要」という明らかに変な回答も最終決定として受け入れました。 でも、違いました。 ただのその場の思いつきで、検査結果は検討すらしていなかったことが分かりました。