「運がよくて受賞できた」第168回芥川賞の佐藤厚志さん会見(全文)
笑いの要素はどう意識しているのか
記者:ニコニコ動画の高畑と申します。受賞、おめでとうございます。 佐藤:ありがとうございます。 記者:恒例の質問なんですけれども、ニコニコ動画はご存じでしょうか。 佐藤:はい。なんて言うか、これを生中継してるっていう認識です。 記者:あ、ありがとうございます。では、ユーザーの方から来た質問を代わりに読み上げさせていただきます。富山県30代女性の方です。前作の『象の皮膚』に出てきたアプリゲームの2次元キャラクターを恋人にしている主人公が職場の書店でクレーマーとバトルするコミカルなやりとりが好きでした。今回の作品では、ユーモアや笑いの要素が減ったように思いましたが、佐藤さんは小説を書くときに笑いの要素はどういう意識をしていますかという質問です。 佐藤:笑い、そうですね、笑いとかユーモアっていうのは僕もすごく好きで、できるだけ作品には込めようと思っていますし、今回は、自分なりには込めたつもりだったんですね。たまたま、ユーモアと一口に言ってもいろんなユーモアがあるので、なんて言うか、作品の部分部分でユーモアと受け取ってもらえればいいかなという部分はありました。 祐治さん、主人公、『荒地の家族』の主人公の行動も、ある意味ではコメディーなところもありますし、そこは受け取る人によって自由に楽しんでもらったらいいかなと思ってます。 記者:ありがとうございます。 佐藤:ありがとうございます。
最後に言いたいことがあれば
司会:ありがとうございました。では佐藤さん、ご質問を受けて、あらためて最後におっしゃりたいことがあれば、どうぞ。 佐藤:本当にこの前、合同会見のときに、新潮社近くの神社でおみくじ引いたときには、なんて言うか、願いは届かず、日々の幸せを大事にしてくださいって書いてあったので、本当に今日は、今日はっていうか、あした早い新幹線を取ってしまって、時間をまたリスケジュールしなきゃいけなくなったという感じだったんですけども、とってもなんか、地元の期待に応えられて、すごくうれしい思いです。ありがとうございました。 司会:ありがとうございました。佐藤厚志さん、おめでとうございます。 佐藤:ありがとうございます。 (完)【書き起こし】第168回芥川賞の佐藤厚志さん会見