ハロウィーンツリーの前でガッツポーズする神戸弘陵高・村上（撮影・永田浩）

　ソフトバンクからドラフト1位で指名された神戸弘陵高の村上泰斗投手（17）が25日に、永井智浩編成育成本部長と稲嶺誉担当スカウトから指名あいさつを受けた。村上は「まずスタートラインに立てた。でも自分はまだまだ体が未熟というか、全然プロで1年戦える体ではないと思うので、キャンプに向けて体の大きさや芯の強さを求めて、トレーニングに重点を置いて取り組みたい」。年明けの入寮を前に、さらなる成長を誓った。 ■大量19人指名【ドラフト選手一覧】 　根っからの野球好きだ。通常、夏の大会が終わって野球部を引退すると、自宅から学校に通うことができる学生は退寮することが多い。ただ、村上は引退後も「野球をする環境としては寮にいるのが一番」と寮に残り続けている。それだけではない。「私服は全部実家に送りました。寮には今、ジャージしかありません」。自ら外に遊びに行くことを禁じ、実家に帰る休日以外は、学校、グラウンド、寮で生活をする。また、隙間時間があればスマートフォンでプロの投手の動画を検索し、投球フォームや変化球の研究に時間を費やす。 　同校の高橋淳平部長は「村上はとにかく投げることが好き」と話す。グラウンドに顔を出すやいなや、自分の練習だけでなく、後輩たちの打撃練習のために自ら打撃投手を買って出ているという。 　そんな村上にも息抜きの時間がある。それは歌うこと。ときどき学校近くのカラオケボックスに行ってストレスを発散。練習の休憩中に放送用のマイクで歌を披露することもある。その歌声は学校関係者も「めちゃくちゃうまいですよ」というほど。ちなみに十八番はコブクロの「赤い糸」だ。 　中学までは捕手。それでも投手としてプロに入るために2年半前、同校の門をたたき、ホークスとの赤い糸をつむいだ。会見では「指名していただいて終わりというわけではないので、新たなスタートとして頑張っていきたい」と今一度、気を引き締めた。まず最初の目標は1年目に1軍のマウンドに上がること。プロ野球の舞台で輝くため、再び自分の〝信じる道を、ゆっくりと歩き〟始める。（大橋昂平） 【#OTTOホークス情報】