「いうほど一升瓶って装備したいか?」なぜか売り切れる日本酒ホルダー 開発のきっかけは「ブラフマン」愛
酒を背負った姿は…
同僚に手書きの「日本酒ホルダー」のイメージ図を渡して、縫ってもらいました。 完成した品を見ても、社員たちは「何これ?」と解せない様子でしたが、「たった一人のことだけを考えて作った」大石さんは気にしません。 2018年のアコチルで、できたてほやほやのホルダーとともに酒をTOSHI-LOWさんに渡すと、「ばかやろう」と大喜びしてくれました。 ステージ上に、ギターではなく酒を背負って出て「間違えた」というパフォーマンスもしてくれたそう。 大石さんは、こう振り返ります。 「酒を背負ったTOSHI-LOWさんの姿は、まさに『鬼に金棒』でした」
「これだ!」
「たった一人のためのプレゼント」でしたが、その後、無事に自社商品になりました。卸していたアウトドアショップがSNSに投稿したところ、バズります。 この投稿を目にした「日の丸醸造」の佐藤公治代表取締役社長は「これだ!」と飛びつきました。 普段から「日本酒は一定の層にはご支持頂けるけど、SNSユーザーの中には見たことも飲んだこともない人がたくさんいるんだよなぁ」と、アプローチの仕方を模索していました。 「枠を飛び越えて日本酒を届ける」ための光を、バズる「一升瓶ホルダー」に見いだしました。 酒屋の前掛けをイメージしたオレンジ色で作ってもらったオリジナルホルダー四合瓶(720ミリリットル)、一升瓶(1800ミリリットル)用は、2021年にネットショップで発売後、たびたびSNSで話題になるようになりました。そして、今回も30個ずつ仕入れたものが、30分で完売する人気でした。 佐藤社長のおすすめは、「やっぱり一升瓶用ですね。瓶の圧を感じます」。 酒蔵らしく「お酒は太陽の光に当てると劣化するので、長時間ぶらさげるのは薦めません」としつつ、「お花見、バーべキューで、ヒーローになって頂きたい。できれば『まんさくの花』を入れて」と話しました。 追加発注をかけており、5月に再販予定だそうです。
意外な商機
日本酒ホルダーの生みの親、大石さんは、ここまでの話題作になるとは「全く考えていませんでした」。 「だけど、たった一人のTOSHI-LOWさんの不便さを解決したい、喜んでもらいたい、と考えたものだからこそ、はまる人にはまったのかもしれません」と笑います。 今、開発しているのは、缶詰ホルダーだそうです。すでに商品化された「おちょこホルダー」とともに、「手ぶらで宴会を楽しんでほしい」と願いを込めています。 今や本橋テープのECサイトを背負う商品になった「日本酒ホルダー」。完売していますが、急ピッチで製造中で、4月17日ごろ在庫復活する予定だそうです。 ※10日13時、情報を更新しました。