環境省幹部「いい懇談会できたと…」 水俣病マイク切り、大臣への報告は6日後「影響拡大を認識できず」 立民ヒアリングに説明
水俣病の患者・被害者らと伊藤信太郎環境相との懇談の際に被害者側の発言が遮られた問題で、立憲民主党は9日、環境省からヒアリングした。謝罪を含む対応に時間を要したことについて、同省担当者は「ご意見やご要望を大臣が全部聞き取り、丁寧に回答できたという意味で、懇談会自体はいいものができたという認識でいた」と述べた。 【写真】〈関連〉松崎重光さん(手前左から2人目)に謝罪する伊藤信太郎環境相=8日午後6時15分ごろ、熊本県水俣市の水俣病センター相思社
伊藤氏に同行した神ノ田昌博・環境保健部長が答えた。神ノ田氏は「混乱があったというのは承知しているが、時間的にも予定の40分を超えて対応できた」と強調。当時は影響が大きくなることを認識できなかったとした。 懇談会では参加者からさまざまな声が飛び交い、その後の記者会見でもマイクの遮断を問う質問が出たが、事務方が伊藤氏に事実関係を報告したのは6日後の7日午前だった。 ヒアリングでは、水俣病不知火患者会の岩崎明男会長が自身の発言時にもマイクが遮断されたと主張。同省側は「確認できた事実関係は(別の発言者2人の)2回」としつつ、再度確認する姿勢を示した。
南日本新聞 | 鹿児島
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