「おせーんだよ!」温泉街のラーメン店に高齢者の怒号が響く。1杯に30分以上かかるのは是か非か。人手不足が招く日本の怖すぎる未来予想図
人手不足が深刻だと囁かれて久しい。その弊害を感じることは誰しもあるのではないだろうか。特に地方はその色が強い。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。 「日々暮らしていて感じるのは、接客業でしょうね。スタッフを探しても見当たらない、食事がなかなか出てこないなど、誰しも体験したことがあるのではないでしょうか。都会はまだしも地方に行くとさらに感じますよね…」。 介護や医療など、生命に直結する職種での人手不足も懸念されている。 「私のところには特に介護系の人からの相談が多いですが、これもかなり深刻。そもそも重労働で賃金も安い。そりゃ人手不足になりますよね。多くの人がお世話になるかもしれない場所なのだから、もう少し適切な賃金が支払われるといいのですが…」。 人口が減少するなか、人手不足解消に投入されているのが外国人労働者だ。言葉や文化の壁があり、トラブルになることも少なくない。今回はそんな人手不足と外国人労働者の現実を垣間見たある男性の告白だ。 -----------------------------------------------------------------------
森隆弘さん(仮名・49歳)は先日、両親を連れて初めての旅行に行った。行き先は有名な温泉街だ。 「自分の家族と両親とはじめて旅行しました。親孝行のひとつでも!と企画したモノです。旅行自体はすごく楽しかったのですが、帰りのドライブインで見た光景が忘れられなくて…」。 大型バスが止まるような地方のドライブイン。道の駅も兼ねた場所だったと話す。 「お土産物売り場、地産の野菜が並べられたゾーン、その奥にフードコートのような場所がありました。ラーメン店ののぼりが揺れていて、人が並んでいるのが見えました」。 ちょうど昼を過ぎた13時半頃でお腹が空いていた隆弘さん一行は、躊躇することなくそのラーメン店に並び、食券を買ったそう。 「あんまり深く考えずに注文して席につきました。店内はほぼ満員」。 この時はまだ異変には気がついていなかったと話す隆弘さん。 「食券を渡しにいこうとすると片言でそのままでと言われました。店員さんは外国人の方だとこの時わかりました。言われた通り、席について周りを見渡してはじめて、あれ?と異変を感じました」。 なんと店内のほとんどの人がラーメンを食べていなかったのだ。 「みなさん手持ち無沙汰にスマホをのぞいているような状況でした。注意深く見ていると店員さんはさっきの外国人と料理人だけ。その1人が黙々とラーメンを作っているような状況。そりゃ、なかなかラーメンが出てこないはずだと私は納得をしましたが、周りの苛立ちはマックスに到達していたようで…」。 隣に座っていた70代と思われる高齢者がいきなり立ち上がり、厨房に向かって歩き始めた。 「やばいと思いましたね。これは絶対キレるって…」。 ーいつまで待たせんだ!おせーんだよ!!! 「その人がいつから待っているかはわかりませんが、まあそこそこの時間が経過していたのでしょう。苛立ちもわかりますが、キレたところで何もならないんですけどね…」。 ースミマセン。モウショウショオマチクダサイ。 カタコトの日本語が悲しく響く。しかし高齢者は黙らない。 ー今何分経ったと思ってんだ?あっ? 【後編】では外国人店員にキレ散らかす高齢者とその後の顛末についてさらに詳しく話を聞いていく。 取材・文/橋本 千紗
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