地元企業の情報発信任せて 大阪の子供ら広報活動へ団結
子供が地元製造業の広報活動を展開
地元企業の情報発信任せて 大阪の子供ら広報活動へ団結 THEPAGE大阪
子どもたちがチームを組んで地元製造業の広報活動を展開する「ものづくりレンジャー」プロジェクトが大阪市西淀川区で着々と進行し、隊員たちが集まって各隊の隊旗を作ったうえ、各隊が広報を担当する企業を決定した。隊員たちは春休み中に工場を訪問し、広報したいアピールポイントを探す。
隊旗のデザインや作り方も個性豊か
区役所内で開かれたものづくりレンジャー第2回「秘密会議」。隊員は区内の小学生31人で、「ものづくりブルー」「ミスターブラック」「エメラルドグリーン」「レッド・デーモンS」「ミニオンレンジャーZ」の5チームを編成。チームごとに独自の隊旗づくりに取り組んだ。 イラスト原案に従い、鉛筆で忠実に下書きをしていく慎重段取り派。原案を端に置き、いきなり描き出す大胆実行派。隊員たちが色違いの文字をひと文字ずつ描き連ねていく連携融合派。日本が誇るものづくりの多様な手法そのままに、各隊の取り組み方が異なり、興味深い。
自在な創造力と地道な継続力を併せ持つ
一方、共通点も少なくない。隊員たちが星やキャラクターを自在に描いていく。しかも旗の隅っこに、キャラクターの顔をちょっとだけのぞかせる発想と技法は、洗練度が高い。 あるいはキラキラ光るスパンコールを散らすと、不意に華やぐ。心憎い演出だ。逆に大きな余白を単色でべた塗りしていく単純作業も、飽きることなく粛々と進めていく。 日ごろから漫画や飾り付けなどに関心を持ち、描き慣れているのだろうか。才気あふれる創造力と地道な継続力の双方を併せ持つ実力のほどが伝わり、頼もしい。 西淀川の地元企業である江崎グリコが、お菓子を差し入れ。隊員たちはお菓子をつまみながらリラックスして絵筆を執り続ける。
春休み期間中に各隊で工場を訪問
この日の秘密会議に出席できなかった隊員たちが後日描き込む部分を除いて、5つの隊旗がほぼ完成。続いて、各隊が広報活動を手伝う企業の選定へ。事前に区役所が区内の候補企業5社をリストアップ。区役所職員が紹介する各企業の製品や製造現場の特色などを聞いたうえで、各隊が希望訪問先を絞り込んで発表。「鉄が真っ赤に溶けている」三共合金鋳造所と、「レーザー加工で火花が飛び散る」レーザーテックに、訪問希望が集中した。 競合した企業は抽選を繰り返して、各隊が訪問する5社が振り分けられた。隊員たちは「鉄が溶けているところを見たい」などと抱負を語った。 3、4月の春休み期間中に、各隊が2回ずつ企業を訪問。工場見学や関係者への取材を通じてものづくりの現場を学び、5月に中間報告会を開催。各企業の活動ぶりをアピールする広報制作物を作成し、8月のものづくりまつりで発表する予定だ。詳しくは西淀川区役所の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)