失敗しないための問いの立て方!「チャンクダウン」と「チャンクアップ」が仕事に効く
「チャンクダウン」と「チャンクアップ」は、マネジメントやコーチングなどで使われるコミュニケーション手法の一つです。「チャンク(Chunk)」は大きな塊のことを意味し、「チャンクダウン」は物事を具体的に、課題を細分化していくときに使われます。反対に「チャンクアップ」は議論をより抽象化するときに使われ、議論の目的や意味を問うことで、全体の方向性を確認します。チームでの会議、1on1など、ビジネスのさまざまなシーンで活用することができます。
チャンクダウンとは「HOW」の問い チャンクアップとは「WHY」の問い
仕事には多くの人が関わるため、認識の齟齬があると、アウトプットがイメージと違うものになってしまったり、納期が遅れてしまったりすることがあります。プロジェクトメンバーが共通認識を持ち、全体の方向性を統一するためにも、会議中にどのような言葉を交わすかはとても重要です。 そんなとき、チャンクダウンとチャンクアップの質問をうまく取り入れることで、目的から手法まで全体像を見渡せるようになります。チャンクダウンは物事を具体化し、事実の確認、HOW(どのように)の共有のために使われます。チャンクアップは、物事を抽象的に捉え、目的の共有、WHY(なぜ)の確認のために用います。 それぞれ例を挙げると、次のような質問項目が考えられるでしょう。 <チャンクダウン> ・課題を解決するために、どんな行動が必要ですか ・いつまでに、誰が、何をしますか ・最も優先的に取り組むべき課題はどれですか <チャンクアップ> ・どうして、それに取り組む必要があるのですか ・そこから得られるものは何ですか ・どのような姿になっていることが理想ですか 「チームビルディング」をテーマに具体例を挙げてみます。チームビルディングを行うことについてチャンクダウンすると、どのようにチームの結束力を高めるかという方法を考えることになるでしょう。そこからゲーム、アクティビティ、イベント、ワークショップといった手法の選択から、メンバー構成、実施時期、開催場所、予算などを決めていきます。 次にチームビルディングをチャンクアップすると、考えなければならないのは「なぜそれが必要なのか」。メンバー間の心理的距離が近づくことで退職率を下げることが目的なのか、それとも生産性向上や売上アップを見込んでいるのかが挙げられるでしょう。 物事を明確にするためには「問い」が必要です。さまざまな角度の問いがあればあるほど、物事の輪郭はハッキリします。メンバー間が共通認識を持たなければいけないときこそ、チャンクダウン・チャンクアップの質問を活用し、現状を整理しましょう。