事故で下半身不随に...あと2日で殺処分だった猫・らいが見つけた“家族との幸せな日々”
らいと対面した後、圧迫排泄の仕方を教わり、譲渡契約書にサインしてお世話になったボランティアさんにお礼を伝え、少しでも傷に響かないようにブランケットなどでキャリーの中を覆って慎重に車に乗せて帰宅しました。 雰囲気から「らい」と名づけたその子はふっくらまぁるい顔をしていましたが、体重は2kg台で、まだ前足だけではほとんど歩くことができませんでした。 体調は、ボランティアさん宅では久々に口から食事をしたためか水のような下痢が続いていたとのことでしたが、回復したようで、うちでは少し柔らかめのウンチで食欲もありました。 入院直後のらいはノミ・ダニだらけで去勢されておらず、おそらく半野良だったのだろうとのこと。人が大好きで、私の手をギュッと抱きしめながらフミフミするのが大好きな、とても甘えんぼな子でした。 里親さんを探す予定でしたが、毎日数時間おきの圧迫排泄と体位変換、リハビリなどのお世話が必要なため、このままうちの子になってもらうことに決めました。こうして家族が増えて、さらに賑やかになったわが家なのでした。
下半身不随の猫のお世話の難しさ
らいと暮らすことを決めたものの、下半身不随の猫との生活は初めてだったため、試行錯誤の連続でした。まず、圧迫排泄に慣れていないため時間がかかり、イヤがるらいをなだめながらのお世話でした。 オシッコもウンチも他の内臓を圧迫しないように慎重に押し出すのですが、皮膚の上から触りながら「あれ? 膀胱、どこ逃げた?」「これウンチなの? 内臓なの? 押し出しても大丈夫?」と、ビビりながらの作業なので、これまた時間がかかってしまいます。 初めはイヤがって私の手を咬もうとしたり、逃げようとしていたらいですが、6時間ごとにくり返される作業に慣れてきて、次第に「あ、オシッコの時間ですね。はい、どうぞ!」と言わんばかりにゴロンと横になったり、「そろそろオシッコの時間ですよね?」と自分から催促するようになりました。 けれど、圧迫排泄ではオシッコを全て出しきることが難しく、膀胱炎や尿結石になって尿道にカテーテルを挿入して、注射器で吸い出したり、同時に下痢になったりと、初めて経験する看護がてんこ盛りの日々でした。