独身で養子を迎えた韓国人の彼女が「親には言わなかった」ワケ、韓国で独身者が養子を迎えるのに必要なこと
「非婚(=結婚しない生き方)」を選んだ韓国の編集者ペク・ジソンさんは、2人の子どもと養子縁組をして家族になりました。独身のジソンさんが子どもを迎えるためにしなければいけなかったこととは。ジソンさん著『結婚も出産もせず親になりました』より紹介します。 ■長女を迎えるまでに必要だったこと 長女との養子縁組を希望してから数カ月間、何度も面談を受けた。身分証や家族関係を証明する書類をはじめ、犯罪経歴証明書、薬物依存症やアルコール依存症の検査を含む健康診断書、資産の内訳を証明する書類も提出した。
独身者は養育のための経済力があるかどうかが重要だといわれ、固定資産証明書や金融機関の残高証明書はもちろん、年金や保険の加入状況に関する書類、住宅請約総合貯蓄(韓国で新築分譲マンションを購入する際に必要な積立預金)の証明書まで洗いざらい提出した。その数年前に、ソウル大学近くのワンルームマンションを購入していたことは有利に働いた。会社でスピード出世して、年齢のわりに職級が高いという点も評価されたようだ。
なぜ結婚していないのか、男性嫌悪や男性蔑視はないかといった心理検査を受け、家族面談も2度ほど行われた。 両親には絶対に反対されるとわかっていたから、手続きがすべて終わるまで知らせなかった。姉は時間的に難しかったので、兄と妹が面談に来てくれた。兄はわたしのことを「子どもの頃から責任感が強くて信頼できる」と言い、妹は「自分も積極的に子育てに参加する」と言って、養子縁組の成立に大きな力添えをしてくれた。
養子を迎えるつもりだと明かす前から、きょうだいはきっとわたしを応援してくれるだろうと信じていた。心あたたかく、偏見や先入観を持たない彼らは、養子に迎える子どもに愛情をたっぷり注いでくれるだろうと思っていたし、実際そのとおりだった。 わたしのことをよく知っていて、社会的、経済的に安定した地位にある人の推薦書も必要だったので、前職と現職の同僚に依頼した。心のこもった彼らの推薦書が大きな力になった。とても感謝している。