契約更改を終えた岡本は、チームの日本一を来季の“公約”に掲げ、マイクを握りファンに支持を訴えた（カメラ・宮崎　亮太）

　巨人の岡本和真内野手（２８）が３日、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、１億２０００万円増の５億４０００万円の単年契約でサインした（金額は推定）。１１年目シーズンでの５億円到達は球団では７年目の菅野智之、９年目の松井秀喜に次ぐ３番目のスピード昇給。「契約年数は２４年」とジョークを連発した会見では、メジャーについても言及する中、リーグ連覇、日本一奪回への決意を示した。 　自分の世界を、一人で展開していった。岡本は真顔で答えた。会見冒頭。契約年数について問われ、落ち着いた口調で言った。「契約年数は２４年です」。あっけにとられる報道陣をよそに続けた。「うそついてないです。１億の２４年契約をさせていただきました」とジョークを飛ばすと、「２４年後は、かなりおっちゃんなんですけど、プレーヤーとして評価していただいてうれしい」と笑った。 　全開の“岡本節”も、球団の気持ちがうれしかったからだろう。年俸も来季は１億２０００万円増の５億４０００万円となったが、「指が足りない。マジで何周もしちゃう」と、自らの指を折って数えながら１０億円以上を連想させるパフォーマンス。最後には「単年契約させていただいています」と“真実”を明かし、爆笑会見を締めた。 　１１年目シーズンでの５億円到達は球団では７年目の菅野智之、９年目の松井秀喜に次ぐ３番目のスピード。球団野手では松井、阿部、坂本に次ぐ４人目の快挙になった。今季は全試合に４番で先発出場。一塁、三塁、左翼の複数ポジションを器用に守りながら、バットでは打率２割８分、２７本塁打、８３打点をマークした。「監督が代わって新チームになる年に優勝したいと思っていた。優勝することができて良かったです」。攻守で４年ぶりのリーグＶに大きく貢献し、大幅昇給を勝ち取った。 　会見ではメジャーへの思いを聞かれ、言及。「昔から憧れていた場所でもありますし、目標にしている場所でもある。毎年、上を目指してずっとやっているので、野球をしていたら、そういう目標をみんな持ってると思う。僕もその一人です」。順調にいけば国内ＦＡ権取得は最短で来シーズン中、海外ＦＡ権は２６年シーズンでの取得になる。「２４年契約なんで、それはかなわないんで」と契約年数のボケに絡めてけむにまき、再び笑いを誘った。 　冗談を交えた取材対応となったが、来シーズンへ燃えたぎる思いがある。今季はリーグＶを決めるも、ＣＳ最終ステージで敗退。目指していた日本一はつかめなかった。「クライマックスで負けてしまったんで、来年やり返したい。僕自身、日本一を経験したことがないので経験してみたい」と渇望。悲願を成し遂げるために、自らが身を粉にして貢献することしか頭にない。現在はシーズン最終盤に痛めた腰の治療に努めながら、準備を進めている。 　「まずは１年間けがしないようにして、全試合出たい。個人の数字としても今年は何一つ納得いくものはなかったので、キャリアハイを目指して頑張りたい。連覇と日本一に貢献できるようにやっていきたい」 　自己最高成績更新を目標に掲げる来季。大黒柱としてチームを頂へと導く。（宮内　孝太） ◆和真に聞く 　―最短で国内ＦＡは来シーズン中の取得で、海外ＦＡ権はその先。どういう契約形態になっている。 　「世の中には、いろんな契約形態があるんで、そのへんも想像にお任せする。僕の口からは言うことはない」 　―来季守るポジションなどのこだわりは。 　「僕としてはチームにそこにいてくれと言われれば、そこに入れる準備をしていきたい。最善の選択をいろんな選択肢を作れるように、いろいろと準備していきたい」 　―けがをした腰の状態は。 　「完治のメドはあると思うんですけど、今はオフでまず治す時期。痛みが出る動きはやってない」 　―自主トレでの狙い。 　「まずはしっかりと体をケアしながら、治しながら。もう一度けがしない体づくりを目指して食生活から見直してやっていきたい」 　―食生活で見直すこと。 　「丸さんが腸活がいいと言っていたんで、豆腐とかキノコとか、らっきょうとかを食べる。キノコは嫌いなんですけど、食べるようにしてる」 ◆巨人６人目年少２位 ▼…岡本（巨）は来季の年俸５億４０００万（年俸推定、単位は円）で契約更改。年俸５億到達者は、今季の近藤（ソ＝５億５０００万）に次いで２３人目。巨人では０１年松井秀喜（５億）、１３年阿部慎之助（５億７０００万）、杉内俊哉（５億）、１９年菅野智之（６億５０００万）、坂本勇人（５億）に次いで６人目。野手では４人目。 　▼…来季は２９歳のシーズン。２９歳までに年俸５億を突破したのは、別表の通り１０人目。年少７位タイでの５億到達。巨人では２７歳の松井に次いで２番目の年少。 　▼…来季は１１年目。１１年目までに５億到達は、６年目に到達の２３年村上宗隆（ヤ＝６億）をはじめ１５人目。巨人では７年目の１９年菅野、９年目の０１年松井に次いで３番目の年数になる。