損保ジャパン、ディーラーの雹害軽減で実証実験 ウェザーニューズと連携 気象情報アプリで降雹の接近を通知
損害保険ジャパンは、気象情報会社ウェザーニューズなどと連携し、降雹(ひょう)による自動車の損傷被害の軽減に向けた実証実験を9月から11月まで行うと発表した。被害が予想される関東、関西、九州などの自動車ディーラーの各店舗と、損保ジャパンの営業店が対象となる。 今回の実験の趣旨に賛同するディーラー約100店の参加を見込んでいる。損保ジャパンの営業店を含め、それぞれの従業員が持つスマートフォンに、ウェザーニューズ社の企業向け気象情報アプリを導入。降雹の可能性が高まる30分から3時間前に、プッシュ通知で「ひょう接近」とアラートを送信し、屋外に止めている車をサービス工場内に避難させたり、車に厚手のシートをかぶせるなどの対応ができるようにする。最短で30分間で、実際にどのような対応ができるかを検証していく。 同アプリは降雹の発生リスクを36時間前から確認できるため、前日から対策の準備ができる。すでに農家向けに提供されているサービスの機能を活用する。実験の結果から課題などをまとめるが、実用化については未定だという。 ここ数年、北関東で降雹による大規模な被害が発生しているほか、2024年4月には兵庫県を中心に大きな被害が出た。この時は同社で277億円の保険金(自動車以外も含む)が発生。降雹が原因の保険料支払いは巨額になっており、他の損保各社もさまざまな対応策を検討している。