Google 検索由来のトラフィックの減少を、Google Discoverが補填するのか?
Google Discoverで成功する見出しの作り方
具体例を見てみよう。この記事の最初の1文は、記事の本質(Google Discoverは参照トラフィックの供給源として、Google検索にと肩を並べている)を伝えることを意図したものだが、同時に決定的な情報(肩を並べるどころか、あるひとつのパブリッシャーにおいては、Google検索を上回ってさえいる)を明かすことを避けている。 ジャーナリストに見出しの適切な作成を促すため、リーチはフローチャートを開発した。このフローチャートではまず、目的のプラットフォームはどれかが尋ねられる。複数の見出し(自社サイトのホームページ向け、ソーシャルメディア向け、検索向け、Discover向けなど)が必要である状況に変わりはないからだ。 目的が検索であれば、ジャーナリストにはGoogleトレンドのデータを参照し、検索と親和性の高い見出しに適したキーワードを選ぶことが推奨される。これに対し、Discoverが目的の場合、ジャーナリストは記事のもっとも興味深い要素に焦点を当てた見出しを書くように指示される。 「どの記事についても、いちばん興味深い部分を見出しに持ってくるべきだと考えるのは当然だろう。残念ながら、Google検索ではそれが報われるとは限らない。だがDiscoverなら報われる」と、リトル氏は語った。 これはとりわけ、同氏が言うところの「ソフトレンズ」記事、すなわちライフスタイル記事によくあてはまる。この種のコンテンツはDiscoverで受けがいい(反面、ニュース記事は検索の方が向いている)。それだけでなく、ライフスタイルコンテンツはGoogleのAIオーバービュー(AI Overview)による検索トラフィックの侵食から、負の影響を受けやすい。 リーチはSEO(検索エンジン最適化)の専門家と協力し、サイトの検索由来トラフィックのモニタリングを継続している。GoogleがAIオーバービューの対象地域を米国から、英国やその他の地域にまで拡大したことに呼応して、同社の検索由来の参照トラフィックは、セレブ・エンタメ関連のコンテンツに関して減少していると、リトル氏は説明する。 「検索の劣化にはさまざまな要因が関与している。AIオーバービューはそのひとつだ。『大した影響はない』と皆が口々に言うが、私は影響はあると考えている」と、リトル氏は話す。しかし、少なくとも今のところは、Google Discoverが検索の劣化による損失を補填しているようだ。 [原文:For Reach plc, Google Discover has offset search-driven traffic declines] Tim Peterson(翻訳:的場知之/ガリレオ、編集:坂本凪沙)
編集部