フリーアナウンサー、吉田明世の“不都合”とは?【パントビスコ対談連載】
世の中に渦巻くありとあらゆる“不都合”な出来事や日常の些細な気づき、気になることなどをテーマに、人気クリエイターのパントビスコがゲストを迎えてゆる~くトークを繰り広げる連載「パントビスコの不都合研究所」。今回は、パントビスコ初の絵本『おれたクレヨン』刊行記念! フリーアナウンサーとして活躍し、保育士と絵本専門士の資格を持つ吉田明世が登場。 【撮り下ろし写真】ゲストに吉田明世が登場!
絵本の魅力を発信する絵本専門士とは?
パントビスコ「絵本専門士という資格について、僕自身も明るくないのですが、知らない方のために教えてもらえますでしょうか」 吉田明世「すごく簡単に言ってしまうと、絵本の魅力を世の中に伝える活動をする絵本のプロフェッショナルですね。絵本専門士の中には、保育士さんや学校の先生など、子どもと関わる方もいらっしゃれば、電車の運転士さんだったり、さまざまな職業の方がいらっしゃいます」 パントビスコ「運転士さんまで! どうしてですか」 吉田明世「皆さんに共通するのが、絵本が大好きで、もっとみんなに広めたいという思いを持っていることです。1年間、絵本にまつわることを学んで、合格した人が取れる資格です。一期では70人くらい同期がいるのですが、みんなで絵本の歴史を学んだり、絵本の作り方を学んだり、課題を提出したり、絵本というテーマを多角的に学びました」 パントビスコ「すごい。全然想像してたものと違いました」 吉田明世「絵本専門士というと、ワインのソムリエのようなものを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれないんですが、絵本にまつわる活動ならなんでもしていいんです。私みたいにアナウンサーでありながら、絵本の読み聞かせをしたり、出版をする人もいれば、絵本専門の本屋さんを営む人もいます。内容は本当にさまざまで、みなさんそれぞれが絵本の良さを広めるために活動されています」 パントビスコ「なるほど。漢検や英検みたいに誰でも応募できて、そのうち何パーセントが受かる資格と思っていたら、違うんですね」 吉田明世「そうなんです。最初にエントリーシートがあって、自分と絵本にまつわる文章を書くのですが、そこで絵本専門士の委員会の方が選別してくださるんですよ。そこまでのハードルがちょっと高いというのがあります。それと、保育士の資格を持っているとか、絵本にまつわる仕事を3年以上やっているとか、申し込みに条件もあります」 パントビスコ「やっぱりちゃんとした実績や根拠が必要なんですね。ところで、吉田さんはなぜ絵本専門士の資格を取ろうと思われたのですか?」 吉田明世「私の実家が保育園で、祖母が運営していたんです。いつか保育士の資格を取りたいなと思っていて、中学生の頃はお手伝いをしたこともありました。ただTBSアナウンサーとしてちょっと時間が取れなくなってしまって、なかなかその夢は実現できなかったんです。そこで、第1子妊娠中に思い切って保育士の資格を取りました」 パントビスコ「それも、なかなかできることではないですよね」 吉田明世「ただ、資格を取ったものの、子どもが生まれてからアナウンサーの仕事をしながら保育の現場で働くっていうのも難しくて。アナウンサーでありながら保育士の資格を持っている自分にできることって何かないかな、と思ったときに出合ったのが絵本専門士でした。資格を取ったら、読み聞かせなどで何か役に立てるんじゃないかと」 パントビスコ「声の表現のプロフェッショナルですからね。すごく力になる資格ですよね。そんな方に僕の絵本を読んでいただけて光栄です」