「QRコード」で電車に乗り放題「スルッとQRtto」サービス開始 「磁気」廃止の方向へ 「パッチン」を懐かしむ人もいまだに…
■「パッチン」を懐かしむ人も 「磁気切符」はいずれ廃止の方向へ
実はいま、このQRコードの広がりとともに、「切符」の在り方が大きく変わろうとしている。 切符の思い出といえば… 街の人:やっぱりパッチンするのはね、人と人の手渡しでしょ。『いってらっしゃい』とか『おかえりなさい』とか言ってくれる、それがいい。今は何にもないでしょ。 もともとは、駅員が手作業で「パッチン」して切り込みをいれていた切符。そのため、通勤ラッシュの時間帯には改札に行列ができることもあった。 この課題を解決したのが、「磁気」を導入した切符。1990年代以降、鉄道各社では自動改札機が急速に普及した。しかし、今となってはこの磁気切符も利用率が大きく下がっていて、「切符」の主役はICカードなどになっている。 そんな中で5月、JR東日本などの首都圏で運行する鉄道8社は、磁気切符を将来的には廃止し、印字されたQRコードを改札機にかざすタイプのものに、順次置き換えていく方針を示した。 JR東日本マーケティング本部 高堂洋平マネージャー:まずは近距離切符150円といった、切符のQR化を順次行ってまいります。スムーズに改札機をご利用いただける、メリットを感じていただきたい。 関西でも、脱「磁気切符」はあるのか。阪神電鉄に話を聞いてみた。 阪神電鉄経営企画室 飯塚研一さん:今後、磁気券をなくす方向。どこかのタイミングではなると思う。いずれはそういう(磁気切符をなくす)形にはなるのかなと。 実は「磁気切符」にはコスト面などで欠点が多く、やはり廃止の方向に向かっていくようだ。 阪神電鉄経営企画室 飯塚研一さん:自動改札機の点検をする回数が、磁気券を使うと多くなる。QRコードとかIC乗車券にすると、自動改札機の中にモーターやベルトが要らない。そこのメンテナンスがなくなってきます。 変わりゆく「切符」。少し寂しい気もしますが、より便利なサービスの誕生に、期待が高まる。
■磁気切符はリサイクルができず環境負荷が大きい
新発売された「スルッとQRtto」で使われているQRコード乗車券は、他にも利用方法がある。 阪急電車の1300円で乗り降り自由な「阪急1dayパス」や、京阪電車では淀屋橋・出町柳間の片道490円区間でも使えるということだ。京阪は利用者数などを検証し、今後の区間設定など検討するという。 これから、QRコード乗車券を手にする機会が増えそうだが、どのような背景があるのだろうか。 関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:関西に先んじて、首都圏でJR東日本も含んだ鉄道8社が磁気乗車券からQR乗車券への置き換えを発表しました。この磁気付きの切符は、金属を含んでいて、リサイクルができないので環境にとっては負荷が大きいと。改札を通すので、メンテナンスにお金がかかるという意味で言うと、やっぱりQRコードの方がエコで、持続可能なのではないかと言われています。 スマートフォン1つで乗り降りできるということだが、持っていない方、使わない方はどうしたらいいのだろうか。 関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:JR東日本のケースによると、従来の発券機でいまは磁気を使っていますが、QRコードを印字した紙タイプのものを発券して、それをかざすこともできるので、スマートフォンを持っていなくても、使えると言われています。 磁気切切符からICカード、それからQRコード乗車券…これから乗車券はどのように変わっていくのだろうか。 共同通信社 編集委員 太田昌克さん:千葉のあるエリアでは、顔認証を使っているところもあるようなんですけど、私はやっぱり『パッチン』が懐かしくてね。大事なことは、制度が置き換わるときは、必ず不慣れな方、敬遠される方がおられるから、そういった方にも優しさをもって対応することが何より大事だと思います。 取り残される方がいないように配慮してほしい。 (関西テレビ「newsランナー」2024年6月17日放送)
関西テレビ