元宝塚雪組・和希そら 技術面も役作りも、とことん”突き詰める”役者を目指したい
◆退団後初舞台は、ハッピーでポップなミュージカル
今年2月に惜しまれつつ宝塚歌劇団を退団した和希そら。退団発表時には、ダンス・歌・芝居どれにも秀でた“男役・和希そら”を見納めになることを嘆き悲しむファンが続出した。そんな彼女が、退団後初のミュージカル『9 to 5』で再始動。本作や再スタートへの思いを語ってくれた。 【写真】退団から約5ヵ月 “そらスマイル”は健在! 数々の受賞歴を持つ音楽界の “LIVING LEGEND”ドリー・パートンが手掛けたミュージカル『9 to 5』は、2009年にブロードウェイで上演されるや大きな話題を集め、トニー賞、グラミー賞にノミネート、その後2019年にはロンドンのウエストエンドでもヒットを記録した。働く女性の仕事や恋愛の悩みを描いた笑えてすっきりするミュージカル・コメディー。 明日海りおが主演を務め、和希のほか、平野綾、内海啓貴、飯野めぐみ、別所哲也らが出演する。演出を務めるのは『キューティ・ブロンド』や『四月は君の嘘』などを手掛ける上田一豪。 ロサンゼルスの大企業に勤めるヴァイオレットはシングルマザー。日々の生活に追われながらも仕事と家庭を両立し、社長・フランクリンの横暴に耐えつつ、社内で確固たる地位を築いていた。ある日、同じようにフランクリンに苦しめられているグラマーな秘書ドラリー、新入社員のジュディと意気投合したことで、社長をとっちめる計画を立てる。それが思わぬ騒動を引き起こすことに――。 ――退団後初舞台となる『9 to 5』。出演オファーを聞いた時の印象はいかがでしたか? 和希:ミュージカル・コメディーということもあり、ハッピーでポップな印象があります。今までも女性役は何度かさせていただきましたが、コメディー作品はなかったので、また新たな挑戦として楽しめるなと思いました。 退団後どういうものから始めようかという時に、自分がときめくもの、ワクワクするものに挑戦したいという気持ちがあったので、この作品から始めようと決めました。 ――演じられるジュディというキャラクターはどんな女性でしょう。 和希:新入社員と言えど、一度結婚して家庭に入り、離婚して…という経歴の30代の新入社員なんです。そういう経歴をもつ人物が、どういうふうに社会に出て人々と関わっていくんだろう、まずは家庭に入って、30代になってから社会で働くという時にどんなマインドで、どのくらいのオープンさで人々と接していくんだろうと…役作りがとても楽しみです。 ジュディも人々と関わっていくことによって成長していくと思いますし、ヴァイオレット、ドラリーと3人でいる時の関係性も、はじめましての状態からどんどん変わっていくので、そうした変化も見どころかと思います。 明日海さんと平野さんとは、ビジュアル撮影でお会いしたのですが、お二方とも醸し出す雰囲気がとてもお優しくて、一緒にお芝居できることをすごく楽しみにしています。 ――演じられるジュディには和希さんと似ている部分はありますか? 和希:あまりないかもしれないですね。最初に会社に行く場面でしどろもどろしているシーンがあったり、緊張しちゃって雑学みたいなことを言い出しちゃうシーンがあったりするんですけど、私には全然そういうのはないので(笑)。あ、雑学は好きです。共通点ありました(笑)。 ――あまり緊張せずすぐにすんなり打ち解けられるタイプですか? 和希:いえいえ、人見知りなので、すぐに自分をさらけ出すっていうことはなかなかないんですけど、割とどんな時もフラットな感じで、周りを観察しているタイプです。