旭化成建材(株)による杭工事実績3,040件に関する調査報告(全文8)
杭の長さが足りなかったとすれば、それは設計のミスであったのか?
テレビ朝日:テレビ朝日のユイと申します。横浜のマンションについて、3点お伺いしたんですけども、地盤調査のデータを基に杭の設計をしたのは元請の三井住友建設さんですが、杭の長さが足りなかったとすれば、それは設計のミスであったとお感じでしょうか。杭の長さが足りなかった場合、どう対応すべきだったかとお感じでしょうか。これが1点です。 2点目が、あらためて工期とコストの点に関してなんですけども、先日の会見で三井住友建設さんは、工期に関しては非常に余裕があったと。杭の交換に2~3週間かかっても全体の工期で吸収できたと説明しているんですけども、本当に工期とコストの面でプレッシャーというのはなかったんでしょうか。 3点目がより詳細な杭の調査をして、杭が支持層にしっかり到達していたとなった場合、分かった場合、御社として責任が変わってくるとお感じでしょうか。どうでしょうか。 平居:まず杭の長さが足りないときは、それはたぶん設計ミスだと思いますが、そのときには確かに私たちが杭の長さが足りないということに気が付いたら、足りませんというべきだったと思っています。ですからそれは、今回そういうふうに言っていないのは、少なくとも現場代理人は、当時の現場代理人は届いたと思っているということ。あの現場で杭が全部届きましたと、いまだに発言は変えておりませんから、そこで言う状況ではなかったということですね。届いたと思ってるんですから、言う状況ではなかったということです。 それから工期、コストについての話ですが、工期、コストにつきましては、これも今、まさに国土交通省さんだとか横浜市だとか、有識者会議の人が非常に強く興味を持って、さまざまなヒアリング、さまざまな調査を進めているところでありますので、私たちのほうからコメントすることではありませんが、少なくともこのときの現場代理人はそこのプレッシャーでこうしたというような発言はしていません、ということであります。 もし仮に、杭が届いていたときに、当社の負うべき負担がうんぬんという話ではありますが、これは冒頭にあった質問にもお答えしたように、そこに主眼があるわけでもないし、私たちは本当にこうやって、皆さんにご迷惑を掛けている責任はきちっと取らなければいけないと思っておりますので、そこでの責任うんぬんというよりは、まさに原因をはっきりさせて、私たちのところで何が起こったのかってことをはっきりさせる責任のほうが、はるかに重いと思っています。 ですから、負担うんぬんということは現時点でまったく。もともと協議をしてきちっと決めましょうって話になってますから、もともとそういう状態ですから、住民の皆さんに与えた不安なんかも、もちろん私たちが与えてしまったことですから、そんなことも含めて、その後の展開については、誠実に話し合いをしていきたいと思っております。 ただ、一番重い責任を感じているのは、多くの皆さんに不安を持たせたこと。今日お集まりの皆さんに対して、不安な気持ちにさせたことは特に申し訳ないと思ってますけど、そこについては私たちは責任を果たしたいというのが、私たちの今の気持ちであります。 テレビ朝日:すいません。一般的な話として、杭の長さが足りない場合、交換を言い出せるような関係にあるんでしょうか。それとも、今まで前例としてそういうケース等があるんですかね。 平居:それは前嶋くん、答えてもらえますか。 前嶋:支持層に届いていない場合に、元請さんのほうへ報告をして、杭を少し下げて、上のほうで長さを調整、全体のバランスを調整するというようなことは、少なからずあると思います。 テレビ朝日:そういう場合、どれぐらい遅れるんですか。工期としては。 前嶋:すいません、全体の工期で言うと、それ、私が今、申し上げたのは、あらためて杭を発注するという行為ではなくて、少し地盤を深く掘って、杭の長さではなく、上のほうのコンクリート部分の長さを調整するっていう形になりますんで、工期についてはちょっと、私のほうでは分かりません。 テレビ朝日:新たに発注するっていうケースはないっていうことですね。 前嶋:私の、すいません。知る限りではちょっと、聞いたことないっていうのが現状です。 テレビ朝日:分かりました。ありがとうございます。 平居:基礎を下げて、杭に到達するっていうのが最初に申し上げた話です。 テレビ朝日:テレビ朝日のカクと申します。よろしくお願いします。改ざんした現場代理人、50人以上ですけれどもこれの、3,040件の中に現場代理人っていうのは何人いらっしゃるんですか。 柿沢:申し訳ありません。3,040件で、何人というのは実はまだ、調べ切れてなくて、今日報告してる2,376件でいいますと、これも細かいところを見ると、難しいところあるんですけれども、ざっと180人以上ぐらいのイメージになります。 テレビ朝日:3人に1人ぐらいっていう数になると思うんですけども、それはどう受け止められていますか。 柿沢:申し訳ないといいますか、あってはならないことだし、非常に高い割合だというふうに思っております。 テレビ朝日:横浜の責任者の方が改ざんしたのが、19件と伺ってますけども、この50人の中で一番多く改ざんをした方は、何件されているんでしょうか。 柿沢:いや、それはちょっと数は持って。かなりやってる年数も違いますので、そもそも担当している件数にかなりのばらつき、人別で見るとですね。ですから非常に、数で見ていくと違うんですけども、横浜の代理人のケースは、前回ご報告したように4割強ぐらいの割合だったんですかね。それは非常に高い率です。 テレビ朝日:ヒアリングしているのが16人と伺ってますけども、この中でほかの会社でも改ざんしましたよと言っている方、いらっしゃるんでしょうか。 柿沢:ヒアリングの中では、それはないですね。 テレビ朝日:それはそういった質問をした上で、ほかの会社ではやっていないというふうにおっしゃっているんですかね。 柿沢:質問を全部精査したわけじゃないですが、基本的にはしてないと思います。当社の現場での細かいやり方をかなり長時間聞いておりますけども、他社でとか当社に来る前、みたいなことはあんまり聞いてないですね。 テレビ朝日:最後に1点確認させてください。杭が支持層に達していないけれども、安全であるというような建物は、今のところないという理解でいいんですかね。 柿沢:達していないけれども安全。 テレビ朝日:安全であるというのを確認されたような物件というのはあるんですかね。 平居:杭が支持層に達していないということが確認された物件はないです。 テレビ朝日:分かりました。ありがとうございます。 司会:じゃあ、真ん中の方。