リップルCTOインタビュー:ボトムアップからの成長、批判への反論
中央集権的という批判に対して
──リップルは他のブロックチェーンよりも中央集権的だという批判にはどう答えるか? ここ数年、イーサリアムやビットコインを中心に、異なるコンセンサスメカニズムを持つチェーンが続々と登場しているが、世界はあなたの技術的アプローチをより快く受け入れるようになっていると感じるか? シュワルツ:そう思う。人々が発見したのは、これらのテクノロジーが問題なく機能するということだろう。ブロックチェーンでやりたいことはほとんどすべて、すべてのトランザクションが公開されていることを誰もが知っていることで実現できる。 すべての状態が公開され、すべてのトランザクションが何をするのかを誰もが知っている。コンセンサスメカニズムが絶対に必要なのは、トランザクションを合意された順番に並べるときだけだ。そうでなければ、「サム」と「ブラッド」に同じ単位の通貨を送ることができてしまうだろう? 議論のために言っておくが、我々のコンセンサスが分散型だと私があなたを説得することは決してないとしよう。私はそうは思わないが、あなたがそう考えているとしよう。 私たちがコンセンサスにさせていることは、トランザクションの順序付けだけだ。それ以外のことは何もしない。例えば、報酬を分配することもない。もちろん、コンセンサスは無効なトランザクションを有効だとは言えないし、有効なトランザクションを無効だとも言えない。誰もが知っているからだ。 では、トランザクションを並べるだけなら、トランザクションの順序付けが完全に中央集権化されていたとしても、それは大きな問題だろうか? ──もっと分散化されたトランザクションの順序付けを望むケースもあるのではないだろうか? 他のトレーダーを出し抜くためにトランザクションを順序付ける人がいるとしたら? シュワルツ:イーサリアムは設計上、それを可能にしている。もしその懸念が残っているとしたら、イーサリアムはそれが最も苦手ということになる。XRPレジャーでは、少なくとも設計上、単一のエンティティがそれを行うことはできない。 どの程度分散型である必要があるのか? 必要なのは、あなたを騙そうとする共通のエンティティの支配下にないすべてのバリデーターだ。 ──リップル社の場合、パーミッション型のバリデーターの一団があなたを騙さないと、ある程度の信頼を置く必要があるように思えるが? シュワルツ:バリデーターが悪意ある方法でトランザクションを並べた時点で、コミュニティはそれを支持するかどうかを決めなければならない。 検閲とビットコインも同じだ。「マイナーは検閲ができる」と言う人もいるが、実際にはそうではない。もし彼らが検閲したら、コミュニティはビットコインをプルーフ・オブ・ステークに切り替えることができる。相互確証破壊だ。 XRPレジャーでも同じことが起こるだろう。XRPレジャー上に、政府がテロ組織だと言っているアドレスが存在し始め、一部のバリデーターがそのような取引を許可しないようになったとする。そうなるとスピードが落ち、安定しなくなり、最終的にはそういった人たちが入り込めないようになる。そんなことが起こるかもしれない。 コミュニティは、「他の法域からバリデーターを選ぶのか? それとも、その方がシステムの価値が高まるから、それでいいよ」と言うのか。もしかしたらフォークするかもしれないが、まったく同じことが起こるだろう。 XRPレジャーは中央集権化されているから、このような懸念があると言うが、同じことだ。バリデーターのコントロールの問題は、これらの問題のいずれにも影響しない。 私が思うに、非常に高価なシステムを売りつけようとする人たちが、その特徴をすべてメリットとして描いている。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:リップル・ラボのCTOデビッド・シュワルツ氏(Ripple)|原文:Ripple's David Schwartz Talks 'Bottom-Up Growth' on XRP Ledger, Rebuts Critics: Q&A
CoinDesk Japan 編集部