リップルCTOインタビュー:ボトムアップからの成長、批判への反論
決済のためのブロックチェーン
──あなたは以前、異なるチェーンが異なる強みとユースケースを持つ、マルチチェーン暗号資産エコシステムに移行しつつあると語っていた。このような異なるニッチや専門分野について考えるという点で、XRPレジャーは最終的に、決済における勝者になるということだろうか? シュワルツ:私は間違いなく、XRPレジャーがクロス通貨決済と流動性供給の勝者になるべきだと考えている。XRPレジャーはそのために開発され、すべてがその特定のユースケースのために最適化されているからだ。もしXRPレジャーがそこで失敗したら、それは進化していく中で皆が思い描いていた特定のユースケースについて失敗するということで、グーグルが検索で失敗するようなものだ。 しかし、スマートコントラクトチェーンや、現実資産(RWA)のトークン化、カーボンマーケット、トークン化された証券、ステーブルコイン、その他あらゆるユースケース向けに最適化されたチェーンを伴って、システムが発展する可能性もある。 XRPレジャーがハブとなり、その周辺にこのようなユースケースが広がっていくことも想像できる。私は、失敗するよりも別のユースケースで成功する方を選ぶだろう。 ──あなたはリップル社のテクノロジーを、政府が支援するCBDC(中央銀行デジタル通貨)を動かす潜在的なプラットフォームとして売り込んでいるが、暗号資産の世界には、ブロックチェーンがそのような形で使われることに反対する声高なリバタリアン(自由主義者)もいる。そのような暗号資産の精神と、あなたの戦略はどのように折り合いをつけているのか? シュワルツ:アメリカに住んでいるなら、反対することは非常に理にかなっている。しかし、何が起きているかというと、世界には理由もなく口座を閉鎖される人がいる。暗号資産に触れただけで、口座が閉鎖されてしまう。何の申し立てもできない。彼らは法律を破ったわけではない。 政府が運営する場合、実際には適正手続きの権利がある。もし政府が私の銀行口座を閉鎖しなければならないとしたら、私は法廷で異議を申し立てることができるだろう。証拠を提示するよう要求し、証人に反対尋問することもできる。民営のシステムではそのようなことはできない。 だから、逆説的ではあるが、よりリバタリアン的な立場としては、政府が運営すべきということになるだろう。