カート運転の「90度ルール」を知る必要がある!? 日本で“カートの乗り入れOK”なゴルフ場が増えない理由とは?
ラフへのダメージを軽減させる「90度ルール」
日本の気候を考慮するとカートの乗り入れを容認するゴルフ場は増えていかなそうですが、実際のところはどうなのでしょうか。 「カートには、ガソリンエンジンで動くタイプとリチウムイオンバッテリーで動くタイプの2種類がありますが、後者はバッテリーの軽量化が進んでいるので、5人乗りであってもフェアウェイへのダメージは最小限におさえられると思います。夏の炎天下で歩きながらのプレーは非常に過酷ですが、カートに乗りながらであれば日差しから守ってもらえるだけでなく歩く距離も減り、熱中症のリスクを下げる効果も期待できます」 「ほかにも、ボールのすぐそばまで近づけるため、カート道からの横移動も少なくなってプレーファストの促進にもつながります」 「アンジュレーションがきつくアップダウンが激しいコースでは、限られた平たんな土地にカートが集中して結局タイヤの跡が付きやすくなったり、急な傾斜地でカートが横転したりしてしまう恐れも考えられます。カートの乗り入れが向いていないゴルフ場も一部ある点は否めません」 カートのフェアウェイ乗り入れを普及させるには、一人ひとりの運転マナーの徹底も欠かせないようです。アメリカのゴルフ場には、ラフの芝がカートの重さで押しつぶされるダメージを最小限に抑えるべく「90度ルール」と呼ばれるものがあります。カート道から逸れる場合は、直角に曲がってラフを最短距離で横切ることが求められ、ラフの上をずっと走るのはNGとされています。 カートの乗り入れができると、さまざまな面でメリットがあるため、今後のゴルフ場の方針に注目です。しかし、ゴルフ場の設備事情や運転マナーの意識改革が課題と言えるでしょう。
ピーコックブルー