頂点に立ったブルーストッキング（提供＝平松さとし氏）

【ＴＰＣ秋山響の海外競馬解析】６日にフランスのパリロンシャン競馬場で行われたＧⅠ凱旋門賞（芝２４００メートル）はイギリスのブルーストッキング（牝４＝父キャメロット、Ｒ・ベケット厩舎）が２４歳の鞍上ロッサ・ライアン騎手に導かれて２番手追走から直線で早めに抜け出すと、地元の３歳牝馬アヴァンチュールに１馬身１／４差をつけて優勝。ＧⅠヴェルメイユ賞の１、２着馬がそのまま今回も１、２着を占めた。 【写真】またも勝利はならなかった日本勢２騎 　１２万ユーロ（約１９５０万円）の追加登録料を支払っての参戦を最高の結果で実らせたブルーストッキングは、昨年もＧⅠ愛オークスやＧⅠ英チャンピオンズフィリーズ＆メアズＳで２着に入るなど素質の高さを見せていたが、今年はさらにパワーアップ。 　凱旋門賞前までの時点で６月のプリティポリーＳ（芝２０００メートル）、９月のヴェルメイユ賞（芝２４００メートル）と２つのＧⅠを含む重賞３勝を挙げ、牡馬相手のＧⅠキングジョージでも２着に健闘。大きく崩れたのは勝ったシティオブトロイから約８馬身差の４着に終わった８月のＧⅠインターナショナルＳだけ。これはコースレコードが出るような馬場が合わなかった印象があった。 　今年の凱旋門賞は１０段階中で、良い方から数えて７番目の馬場状態（Ｔｒｅｓ　Ｓｏｕｐｌｅ＝ＪＲＡ表記では重馬場）にまで馬場が渋ったこと（前走のヴェルメイユ賞は上から６番目のＳｏｕｐｌｅ。ＪＲＡ表記ではこれも重馬場）。これが追い風となったし、遅い流れになっただけに、内枠から抜群のスタートを決め前走と同じく先行策が取れたことも大きかった。 　なお、馬主のジャドモントファームはこれで凱旋門賞史上最多の７勝目（１９８５年レインボウクエスト、８６年ダンシングブレーヴ、０６年レイルリンク、１０年ワークフォース、１７、１８年エネイブル）。この勝負服は秋のロンシャンがよく似合う。