「不機嫌アピールで、相手をコントロールする人」から離れる1つの方法
上司や同僚、あるいは友人の不機嫌な態度にモヤモヤ、落ち込んだことが誰しも一度はあるかもしれません。しかし、大切なのは「相手の感情は相手のもの」であるということ。この記事では精神科医の藤野智哉さんの著書『「そのままの自分」を生きてみる』から、相手に振り回されないためのヒントを紹介しています。 【心が軽くなる言葉】人間関係が良くなる8か条 ※本稿は、藤野智哉著『「そのままの自分」を生きてみる 精神科医が教える心がラクになるコツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
相手の感情は「相手のもの」
いつもピリピリしていたり、他人の前で平気で不機嫌になる人っています。怒りっぽい性格だとか、メンタルの調子が悪いなどのいろんな事情があると思いますが、「不機嫌さで他人をコントロールしようとする人」も多いです。 ・言いたいことを言わず、扉をバンッと閉めて不機嫌アピールをする夫 ・会議の報告中にため息をついたり、イライラを隠さない上司 ・誘いを断ったら、公園で会っても無視してくるママ友 たとえば、上は典型的な例ですよね。夫が扉をバンッと閉めて「俺は怒ってるんだぞ」とアピールした場合、妻が気弱な人なら機嫌をとってくれるかもしれません。しかし、それが夫にとっての成功体験になって、ますます「イヤなことがあったら、怒りをアピールすればいいか」となっていきがちです。 仕事の出来や成果に不満のある上司も「このくらいイライラした態度をとれば、部下もあせって仕事するだろう」と思っているかもしれません。無視するママ友も「私の要求に応えられないとこうなるってことを思い知らせたい」なんて気持ちがあったりします。 これらの態度は「不機嫌さを表に出すことで他人をコントロールしようとしている」といえます。やられたほうはたまったものではないですよね。けれども人によっては、「相手が不機嫌なのは自分が悪いのでは?」と自己への否定感が強まって、よけいに苦しくなってしまうこともあります。 でもね、大切なことを言いますよ。相手が怒っているのは「相手のせい」です。あなたが何をしようと、それに対して「怒る」と決めたのは相手の責任です。相手の怒りに気をつかい、コントロールされる必要はありません。 そうはいっても、気になってしまう人もいますよね。目の前の人が怒っていたら、「自分のせいかも」と思ってしまう人。そんな人は「本当に自分のせいかな?」と立ち止まって考えてみることも必要だと思います。 相手の感情は「相手のもの」です。レストランでオーダーミスがあっても、怒る人もいれば、ちょっとイラッときただけですぐ流す人、気にしない人もいるものです。売上が落ちたとき、「部下が悪い」とイライラする人もいれば、「原因はなんだろう」と分析する人もいれば、「なんとかなるだろう」と気にしない人もいます。 相手が怒るかどうかは、結局、「相手の領域」といえるのです。相手の感情まで「自分のせいだ」と思うのは、ひょっとしたらちょっと「相手の領域」に立ち入りすぎているかもしれません。怒ったり、不機嫌だったり、落ち込んでいたり、という目の前の相手の感情に、「自分が関係している」とあまり思いすぎないことも大切です。