中国の勢いを封じた3点目。知られざる2人の献身。伊東→小川の関係だけで完結したゴールではない【W杯最終予選】
「普通に蹴ってるだけですけど(笑)」
森保ジャパンはアウェーの中国戦で3-1の勝利を飾り、アジア最終予選の突破にまた大きく前進した。 【画像】日本代表の中国戦出場16選手&監督の採点・寸評を一挙紹介! MOMは2発を叩き込んだストライカー。最終予選初出場で躍動のDFらも高評価 決して簡単な試合ではなかったが、要所で日本代表の強さが見られ、それが結果に表われた試合でもあった。特に後半、1点を返されて、2-1とされたところから相手に流れが行きかけたところを持ち直して、再び突き放したことは象徴的だ。 通常の68メートルより横幅が狭いと見られるピッチで、コンパクトな4-4-2で固める中国に対して、日本は攻め手に苦しみながらも前半にセットプレーから2点を奪ったが、後半の立ち上がりに守備のバランスが崩れたところを突かれて、FWリン・リャンミンにゴールを割られてしまった。 しかし、数分後に小川航基のこの日2点目のゴールが、反撃ムードにわく中国の観客を黙らせた。 後ろのビルドアップから前向きにボールを受けた町田浩樹が縦に運んで、シャドーのポジションから左に流れた南野拓実を経由すると、同サイドの前方でパスを受けた中村敬斗がマイナスのドリブルで中を向いて持ち出し、大きなサイドチェンジを入れる。 4-4-2をベースとする中国のディフェンスはボールサイドに寄っていたため、日本は右サイドに大きなスペースを得ており、中村からの展開を右ウイングバックの伊東純也が大外で余裕を持ってトラップした。 中国は左サイドバックのフー・フェアタオが伊東に寄せてくるが、手前でフリーになっていた久保建英にバックパス。中国の左サイドハーフであるシエ・ウェンノンのスライドが後手に回り、そこをフー・フェアタオがカバーしようとしたところで、久保は少しタメてから伊東にリターンパスを出す。 伊東は遅れ気味に対応してきたフー・フェアタオに揺さぶりをかけて、バランスを崩させてから右足のクロスを上げると、ファーサイドで小川が見事にヘッドで合わせてゴールを破った。 伊東のクロスに関して、小川はインドネシア戦の前から「シンプルに合うっていうか、良いボールが来るっていうだけの話で、単純にキックの質も高いですし、本当にヘディングで当てればゴールに入るようなクロスをくれる」と語っていた。 伊東にその言葉を伝えると「普通に蹴ってるだけですけど(笑)」と前置きしながら、「航基はボックス内のそういう駆け引きの後のワンタッチのヘディングだったりっていうのが得意だと思うので。そこにうまく合わせられればいいなと思います」と説明してくれた。
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