シルバーストン、F1イギリスGPの開催契約を延長。2034年までの長期契約を締結
シルバーストン・サーキットは、F1イギリスGPの開催契約を2034年まで締結した。 【ギャラリー】ルイス・ハミルトン、全F1マシン(マクラーレン~メルセデス) 鈴鹿サーキットが2029年までF1日本GPを開催すると発表したことで、シルバーストンでのイギリスGPは2024年で契約が切れる唯一のレースとなっていた。 シルバーストンは、ソーシャルメディアにイギリス出身のジョージ・ラッセル(メルセデス)とランド・ノリス(マクラーレン)が出演する動画に加え、『シルバーストンが少なくとも2034年までF1カレンダーに残ることを発表できることをうれしく思う』と投稿した。 長期契約により、サーキットとBRDC(ブリティッシュ・レーシング・ドライバーズ・クラブ)にとってはインフラへの投資を進めていくことができるだろう。 シルバーストンとF1の現行契約は5年だったが、多くのレースがF1と長期契約を結んでその座を確保する傾向がある中で、イギリスGPもその流れに沿った形だ。 長期契約を結んだ他のイベントには、オーストリアとサウジアラビア(2030年)、カナダ(2031年)、ハンガリーとカタール(2032年)、オーストラリア(2037年)、アブダビとマドリード(2035年)、バーレーン(2036年)などがある。 シルバーストンはバーニー・エクレストンがF1を率いていた時代にはF1との関係が必ずしも円満ではなかったものの、リバティ・メディアがオーナーになって以降は関係が改善された。 また新型コロナウイルスの影響を受けた2020年シーズンにいち早くイベント開催を約束し、イギリスGPと70周年記念GPの両方を開催することで、サーキットの地位も向上した。 F1のステファノ・ドメニカリCEOは「今回の合意によって、イギリスGPがあと10年間カレンダーに残ることを発表できることをうれしく思う」と語った。 「シルバーストンはF1の歴史の中心にある象徴的な会場であり、グランプリが開催されるようになって80年を迎えようとしているが、コース上では素晴らしいレースが、コース外では素晴らしいファン体験ができるイベントとして、世界中のファンを魅了し続けている」 「BRDCやスチュアート・プリングルをはじめとするシルバーストンのチームのハードワークに感謝したい。今後10年間、施設とファン体験をさらに向上させるために、彼らと緊密に協力していくことを楽しみにしている」 近年F1とより良好な関係を築くことに貢献してきたシルバーストンCEOのプリングルは、「この長期的なコミットメントは、F1にとってのイギリスGPの重要性を反映したものであり、世界で最も熱狂的で知識豊富なイギリス人ファンのためにワールドクラスの体験を提供する我々の能力を認めてくれたものだ」と話した。 「ホームチームへの声援、特にグリッドのイギリス人ドライバーへの声援が、シルバーストンの雰囲気を独特なものにしている。私は、このスポーツへの情熱を生かし、今後10年間でこのイベントを次のレベルに引き上げることを楽しみにしている」 BRDCのピーター・ディグビー会長は、次のように付け加えた。 「この契約による保証は、サーキットを年間を通じて国際的なモータースポーツとレジャーの目的地へと改善し、変貌させていくことを目指し、サーキットをさらなる発展させていくための強固な基盤となるだろう」 また、この新たな契約によって、ロンドンでストリートレースが開催されるのではないかという継続的な憶測にも終止符が打たれることになる。
Adam Cooper
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