フェルスタッペン、2025年のレッドブル残留を明言「すでに来年のマシン開発にも取り組んでいる」
マックス・フェルスタッペンは、レッドブルの”お家騒動”によりチームを出るのではないかと噂されてきたが、F1オーストリアGPで行なわれた記者会見で、2025年もレッドブルからF1を戦うと明言した。 【動画】電光一閃! ラッセル、抜群スタートで一気にトップへ浮上|F1スペインGP フェルスタッペンはレッドブルと2028年まで契約しており、これまで61勝、3度のチャンピオンに輝いている。少なくとも昨年まで、フェルスタッペンが大成功を収めたレッドブルを離れることは想像もできなかっただろう。 しかしクリスチャン・ホーナー代表の不適切行為疑惑に端を発したレッドブル内部の権力闘争により、状況は大きく変化した。 フェルスタッペンはホーナー代表と権力を二分するモータースポーツ・アドバイザーのヘルムート・マルコを強力にバックアップ。レッドブルのCEOであるオリバー・ミンツラフとマルコが事態を落ち着かせたことでフェルスタッペンのレッドブル離脱の可能性はかなり薄れたものの、メルセデスがマルコごとフェルスタッペンの引き抜きを図ったことから、大きな関心が寄せられていた。 メルセデスのトト・ウルフ代表はオーストラリアGPで交渉がかなり進んでいるような示唆を行ない、先週末のスペインGPでは両チーム代表が参加したメディアセッションで再びこの状況が議論された。 ただその際、ウルフ代表は「現段階で話し合いは行なわれていない。自分たちのこと、そしてマシンの改良に目を向ける必要があるからだ」と語っている。 しかし、メルセデス・ベンツのオラ・ケレニウスCEOは『Sky Germany』に対し、2026年のF1エンジンルール変更の中でフェルスタッペンと契約する”チャンス”があり、「フェルスタッペンにはシルバーが似合うと思う」と語っている。 レッドブルのお膝元であるF1オーストリアGPを前に、記者会見に登場したフェルスタッペンは、自身のコメントから生まれるニュースの見出しを考慮に入れたうえで、2025年に100%レッドブルでレースをすると言ってこの曖昧な状況を終わらせる用意はあるかと尋ねられた。 フェルスタッペンは「前にも言ったと思うけど」と切り出し、次のように答えた。 「もちろん、みんなが噂しているのは当然だけど、将来に向けて競争力のあるマシンを手に入れることが何よりも重要なんだ」 「現時点ではもちろんすごく接戦だけど、僕たちはチームとしてもっと改善しようと取り組んでいる」 「そして間違いなく……これはチームとすでに話したことだが、また競争力を取り戻すために来年に向けて集中して取り組んでいるよ」 さらにフェルスタッペンは、最近のレースでマクラーレンがレッドブルを凌駕するほど好調だったことを受け、2025年にチームがF1最高のマシンを手にすることができないと明らかになった場合、レッドブルを見捨てる決断を下す可能性はあるかと質問され、それを一蹴している。 「F1がそういうものだとは思わない。突然『じゃあ、さようなら』と言えるようなところじゃないんだ。そういう風にはできていない」 「僕はチームと長い契約を結んでいるし、今の状況にとても満足している。僕たちはすでに来年に向けて、クルマに何を搭載できるかに集中しているんだ」 「だからそれが、僕が来年どこを走るかについて十分物語っていると思うよ」 その後、motorsport.comはフェルスタッペンに2025年に本当にレッドブルでレースをするのかどうか、”イエスかノーか”の明確な答えを求めた。 そのやりとりは以下のようなものだった。 motorsport.com:今日はこの話題が少しうやむやになってしまったが、来年もレッドブルのドライバーを務めるかどうか、イエスかノーで答えてほしい。 フェルスタッペン:さっきの答えで分からなかったの? motorsport.com:イエスかノーで答えられる? フェルスタッペン:オーケー、イエスだ。僕が言ったのは、来年のマシン開発にすでに取り組んでいるということだ。それに集中しているということは、チームのためにドライブするということでもあるんだ。 フェルスタッペンの答えは、現在のレッドブルでの将来をどのように考えているのかについて、これまでで最も明確な答えとなった。 だが今後彼が望んだ場合に、現行契約が終了する2028年より前にレッドブルを離脱する可能性を排除したわけではない。 メルセデスがフェラーリに移籍するルイス・ハミルトンの後任として、育成ドライバーのアンドレア・キミ・アントネッリを起用するとまだ発表していないのは、メルセデスがフェルスタッペン獲得のチャンスがわずかながら残っていると考えているからだと見られている。
Alex Kalinauckas