21歳・渡邊海が衝撃の1回TKOでWBO-AP王座奪取 結婚、長女誕生、祖父の死 公私で激変
「ボクシング・WBOアジアパシフィックスーパーフェザー級王座決定戦」(22日、後楽園ホール) 1位の渡邊海(21)=ライオンズ=と2位の鈴木稔弘(27)=志成=がメインイベントで王座決定戦を行い、渡邊が1回1分29秒、TKO勝ちで新王者となった。 「ゾーンが見えた。入ると分かった」という右ストレートをヒットさせた渡邊は「相手の動きが止まって目も止まったので、効いてるなと思って」ラッシュ。練習してきたという、鈴木の得意な左フックに合わせた左フックで鈴木がダウンすると、レフェリーが即座に試合を止めた。 鈴木は大の字に伸び、タンカで退場。意識は戻り、通常通り話せるものの、大事を取って検査のため病院に搬送された。 「最高!」と歓喜していた渡邊だが、「4カ月死に物狂いで練習してきて…」と涙。今年は3月の前戦を会場で応援後に入院した祖父を5月15日に亡くす一方で、3月に入籍し、7月2日に長女が生まれた。「おじいちゃんが天国で応援してくれて、パワーをくれたと思う」、「長女が生まれて、そのパワーで」と、目に見えない力にも助けられて戦ったという。 また、4カ月間の練習で「全てを変えました。バランス、スピード、タイミング。こんなに自分って強くなれるんだって思っていたので、自信がありました」と、強化にも手応えを得ていた。 今後は「まず防衛、そこに向けて練習を頑張って、世界を目指して頑張ります」と語った渡邊。夫として、父として、チャンピオンとして、新たなスタートを切った。