競泳 鈴木聡美は侮れない 【アフロスポーツ プロの瞬撮】
スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。 カメラマンは決勝レースが始まる前にスタートリストを見て、撮る選手を選びチェックマークを入れる。 いつだったか、その作業中にこんな言葉が聞こえてきた。「鈴木聡美は侮れない」。 時期的にはおそらく鈴木聡美がオリンピックや世界水泳のメダルから遠ざかって、渡部香生子・青木玲緒 樹・今井月らが台頭していた頃だろう。僕はその言葉を聞いて、その日は鈴木聡美を撮ることにした。 そしてその試合で彼女は見事に結果を出した。 その言葉があったから、ベテランと呼ばれる鈴木聡美を選んで撮ることに躊躇はなかった。 もちろんタイムを見ても五輪派遣標準圏内。そしてその選択に自信が持てたのは、選手入場時だ。 一発勝負のオリンピック選考会というハイプレッシャーな状況下において、とても自然で晴れやかな表情 をしていた。この表情になれるということは自信があるんだろうな、と僕は思った。 そして、案の定この大一番に派遣標準記録を突破した上で優勝。大きなガッツポーズが水飛沫を上げた。 見ていて、そして撮っていてとても良い気持ちになれる鈴木聡美のオリンピックでの活躍もとても楽しみだ。 ■カメラマンプロフィール 撮影:長田洋平 1986年、東京出身。かに座。 早稲田大学教育学部卒業後、アフロ入社。 2012年ロンドンパラリンピック以降、国内外のスポーツ報道の現場を駆け回っている。 最近では平昌オリンピック、ロシアW杯を取材。 今年の目標は英語習得とボルダリング5級。
アフロスポーツ
1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。 各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。