不登校の子の「成績評価」サポート、元教頭の奮闘 フリースクールを開校して学校と積極的に連携
法令改正でより「学校外施設との連携」が重要に
文科省は、2023年にも「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」において、学校外施設や自宅などでの学習が成績に反映されるようにすることを明記した。しかし、「多様な学びの場は確保できましたが、学びの確保ができていないのが現状。学校の先生方に文科省の通知が十分周知されていないことが課題」だと大石氏は指摘する。 こうした中、文科省は8月29日、不登校児童生徒の欠席中の学習成果を成績に反映できることを法令上明確化するため、学校教育法施行規則を一部改正した。評価の要件として、学習の計画・内容が教育課程に照らし適切であること、教育支援センターや民間団体等との連携、不登校児童生徒と学校の関わりの維持などを挙げている。 そのため今後、学校側は成績評価に関して積極的な姿勢が求められ、学校外施設との連携もさらに重要になるだろう。しかし、教職員はすでに両手いっぱいに荷物を持って走り続けている状態だ。子どもたちの学びを確保して選択肢を広げるためには、教員や学校の視点に立った連携についてもさらに議論・検討する必要がありそうだ。 (文:吉田渓、写真:フリースクールアリビオ提供)
東洋経済education × ICT編集部