優勝はどこだ! 24/25プレミアリーグ順位予想1~10位。アーセナルかマンチェスター・シティか…
300億超え補強も期待はできない…。問題山積みな強豪
9位:チェルシー 監督:エンツォ・マレスカ(1年目) 23/24リーグ戦成績:18勝9分11敗(6位) チェルシーは2022年夏に新オーナーが就任してから選手の獲得だけで12億8300万ユーロ(約2053億円)もの資金を投じてきた。今夏も8月16日時点で1億8900万ユーロ(約302億円)の移籍金を使って補強を行っており、移籍市場閉幕までにもさらなる選手の獲得が予想されている。 しかし、これだけの資金を投じているのにも関わらず戦力アップに成功しているとは言い難い。「ポテンシャル」という付加価値が乗っかることで移籍金が高騰する若手選手しか獲得しない補強戦略はリスクが大きい。 現在のチェルシーが目指しているのは「マンチェスター・シティ化」だ。2023年1月に元マンチェスター・シティのアカデミー採用責任者であったジョー・シールズ氏をサウサンプトンから引き抜いてから、コール・パーマーやロメオ・ラヴィアらマン・シティのアカデミー出身の選手を補強。今夏に新監督に就任したエンツォ・マレスカはマン・シティのU-21で監督、トップチームではアシスタントコーチを務めた経験があり、ジョゼップ・グアルディオラ監督と同じようにポゼッションサッカーを志向している。 その中でいくつか懸念事項がある。縦に速いサッカーを信条としていた前任のマウリシオ・ポチェッティーノ監督のスタイルから大きく変化するため、既存の選手たちがそれに対応できるか未知数な点が多い。特にCB陣はチアゴ・シウバが退団したことで、戦力的にも、精神的にもマイナスが大きく、昨季クラブ史上ワーストの63失点を喫した守備陣は大きな不安を残している。 昨季のチェルシーは怪我人にも悩まされたが、それは今季も大きくは変わらないだろう。マレスカは選手の体調管理を得意としている監督だが、そもそもスペ体質の選手が多く、シーズンを通して計算できる選手は限られている。主将のリース・ジェームズは早速プレシーズンでハムストリングを痛め、新加入のペドロ・ネトやクリストファー・エンクンク、ラヴィア、ウェズレイ・フォファナといった選手たちは前所属時代から怪我に悩まされてきた。 ヨーロッパの主要大会に出場しなかった昨季でさえも怪我人に苦しまれたが、今季のチェルシーはUEFAヨーロッパ・カンファレンスリーグ(本戦に出場できるかどうかは8月の第3週と第4週に行われるプレーオフ次第)をプレミアリーグと同時並行で戦う。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)と比較をすると、マイナー国の出場が多いため移動距離が長く、プレミアリーグでは感じることのない東欧のクラブならではの過激なサポーターたちを前に若い選手たちがアウェイの洗礼を受ける可能性があるなど、ECLでの負担は予想以上のものがあるはずだ。 こうした心配事が多いシーズンにおいて、誰がピッチ内でチームを引っ張るのだろうか。現在も負傷している主将のリース・ジェームズのフル稼働は期待できず、副主将のベン・チルウェルは怪我が多い上にマレスカの戦術にフィットしないことから序列が下がっている。昨季の大半のゲームでキャプテンマークを巻いたコナー・ギャラガーも退団が濃厚で、リーダーの1人であるチアゴ・シウバもチームを去った。戦力的にはCL争いに食い込んでもおかしくはないが、こうした懸念の多さから9位と予想した。