【中山記念】大幅馬体増で勝ったドゥラメンテ、横山典弘騎手が最多5勝 中山名物GⅡの「記録」を振り返る
18キロ増の復活劇、二冠馬ドゥラメンテ
今週は中山記念が開催される。3歳時に活躍した実力馬たちが古馬となって最初のレースに選ぶことも多い一戦。過去にはサイレンススズカやキングヘイロー、ヴィクトワールピサといった名馬が勝利を収めてきた。今年も皐月賞馬ソールオリエンスら勢いある4歳勢が飛躍を誓い参戦、注目が集まる。ここでは、中山記念の記録を振り返る。なお、データは1986年以降のものだ。 【中山記念2024 データ分析】3枠より内が特定条件クリアで単勝回収率241%! 脚質別成績などデータで徹底分析(SPAIA) 年明け初戦の馬が多いこともあり、大幅な馬体重の増減をもって参戦するケースも多い。勝ち馬として馬体重の前走比が大きかったのは、3位が2023年ヒシイグアス(+14キロ)で2位が2017年ネオリアリズム(+15キロ)。ヒシイグアスは前年の宝塚記念後に熱中症となった影響もあり8ヶ月ぶりの実戦。7歳にしてキャリア初の馬体重500キロ台での出走となったが、2年前に制した舞台で復活劇を披露した。 一方のネオリアリズムは馬体重の増減の多い馬で、前年も2月の小倉大賞典を20キロ増で出走し3着に入ると札幌記念では18キロ減で出走して勝利。マイルCSでは6キロ増の502キロで3着に入ると、香港を挟んで挑戦した中山記念は15キロ増の514キロで勝利をあげた。様々な増減があったが、これは前年の同時期に出走し好走した小倉大賞典の516キロと比べると2キロしか変わっていないように、ネオリアリズムにとって"この時期のベスト馬体重"だったと言えるかもしれない。 そして馬体重増減のトップは、2016年の勝ち馬ドゥラメンテの18キロ増。ダービー後に放牧先で骨折が判明した同馬は、それ以来となる9ヶ月ぶりの実戦を中山記念で迎えた。デビュー時は480キロ、ダービー制覇時は484キロと、それまで474~488キロの間で歩んできた同馬だが、ここで一気に500キロ台に突入しての参戦だった。レースでは好位から早めに抜け出し、アンビシャス、リアルスティールといった同期やイスラボニータ、ロゴタイプといった年長馬を撃破。次走はドバイシーマクラシック2着、その次が宝塚記念2着。この宝塚記念の直後に引退したため、中山記念がドゥラメンテにとって最後の勝ち星でもあった。 そしてこの馬体重増減のトップ3(ヒシイグアス、ネオリアリズム、ドゥラメンテ)は、いずれも堀宣行厩舎。なかでもヒシイグアスが2021、2023年と2勝をあげていることもあり、中山記念で計4勝。調教師別の最多勝に君臨している。