スプリンターズS、ハイレベル必至な一戦でネガティブ要素ばかりの実力馬が妙に気になる
――週末は雨予報も出ていますが、今の中山の芝は馬場状態もよく、真の王者を決めるには最適な舞台が整っているのではないでしょうか。 大西 多少の雨なら、現在の中山の馬場に大きな影響をもたらすことはないと思います。そうしたなか、今年はピューロマジック(牝3歳)や香港馬のビクターザウィナー(せん6歳)といった、屈指のダッシュ力を誇る馬が顔をそろえ、スローペースになることは考えにくいです。2012年にロードカナロアが記録した1分6秒7というレコードタイムを破るほどの、ハイレベルなレースになることを願っています。 ――重賞2連勝を含めて目下3連勝中のサトノレーヴ(牡5歳)が人気を集めそうですが、同馬についてはどう見ていますか。 大西 堀宣行厩舎がじっくりと育て上げた馬で、競馬センスが非常にいいのが魅力ですね。スムーズに好位につけられるうえ、仕掛けてからの反応もよく、(馬群から)抜け出す瞬発力もあります。一線級との対戦は今回が初めてとなりますが、それ以外にはさしたる懸念材料は見当たりません。 ダミアン・レーン騎手がこの馬のためにわざわざ来日するということからも、陣営の勝負への本気度がうかがえます。かなり有力な1頭と言えるでしょう。 ――昨年の覇者であり、厩舎(池江泰寿厩舎)としても3連覇がかかっているママコチャ(牝5歳)も人気の一角です。 大西 前哨戦のGIIセントウルS(9月8日/中京・芝1200m)では余裕のある仕上げで、馬体重プラス10kgでの出走でしたが、勝ち馬から半馬身差の2着を確保。一度使われたことによって、本番ではさらに調子を上げてくるでしょう。 鞍上も川田将雅騎手に戻りますから、上位争いには加わってきそうです。もし連覇を達成すれば、文句なしの"チャンピオン"として評価されるのではないでしょうか。 ――他に注目している馬はいますか。 大西 ナムラクレア(牝5歳)を無視することはできません。