渋谷“若者の街”ではなくなるのか? 「年末カウントダウン5年連続中止」の先にある“着地点”
イベント“自粛”を続ける渋谷の今後
その結果、渋谷は、大きなイベントのたびにトラブルと大量のごみに悩まされることになる。いまでは条例による規制も含め、大きな催事は基本、“自粛”のスタンスをとるに至っている。 2024年のハロウィーンはついに「来ないで」と異例の呼びかけを行った。間近に迫った年末カウントダウンは、「渋谷駅・渋谷スクランブル交差点周辺に『年末カウントダウン』を目的とした来街者が一定数、集まってしまう可能性が懸念されます」として、中止を発表。これで5年連続だ。 どんな理由であれ、無秩序が許容されることはない。だが、常識にとらわれずに物事を全力で楽しむ。それをある程度受け入れる弾力性が渋谷の魅力でもあった。 大規模な再開発は、2029年度の竣工を目指す渋谷二丁目プロジェクトを区切りに4棟のビル建設が予定されており、渋谷の街並みは今後もさらに変貌を遂げる。その頃までに、イベントを存分に満喫しながら、同時に秩序を保つという“成熟した騒ぎ方”をどのように浸透させられるのか。街並みの整備と併せ、秩序を守れる街に成熟できれば、真の意味で長きにわたった再開発プロジェクトは“完結”することになる。
弁護士JP編集部