日産が国内全工場に導入、「スマート工程」の全容…柔軟な勤務時間・作業の肉体的負担を軽減
日産自動車は柔軟な勤務時間や作業の肉体的負担を軽減する「スマート工程」を国内全工場で導入を始めた。女性やシニアなど多様な人材が働きやすい職場づくりを整備し、生産現場の人材不足や働き方改革などに対応する。今後取り組みを拡充し、2025年度には海外拠点にも順次展開していく。 【写真】日産の「スマート工程」 スマート工程は多様な人材が活躍できる場の実現に向けたハード・ソフト両面の取り組み。メーンの生産ラインからサブラインとして作業を切り出し、フルタイムで勤務が難しい育児中の従業者や高齢者がメーン・サブ各ラインを交代して補完する。 エンジンルームの部品組み付け作業では、いすを導入して膝の曲げ伸ばしやしゃがむ動作を省く。21年度に九州工場(福岡県苅田町)で試験導入し、他工場に展開することを決めた。 将来はモジュール生産によるラインのサブライン化を推進し、ライン間で在庫を持つことで需要変動への対応力や勤務体制の自由度を高める。 生産企画統括本部モノづくり革新部の林哲哉部長は「30年には労働人口が不足し、多様な労働力の活用が必要となる。新しい生産方式で時間的制約や身体的負担、精神的不安などを解消し、課題を解決していく」としている。