【うちの子奮闘記】子どもは私ではない別の人。特性に気づいたら、子どもへの理解が深まった
心配なことを小学校の校長先生に相談したら、安心の答えが返ってきた
言葉に長けている長女だからこそ、周りのお友だちとの関係性が少し心配だったので、小学校へ入学した頃、校長先生に相談したことがあります。 長女は言葉をよく知っていることもあり、まったく悪意なく、思ったことを率直に人にスパッと言ってしまうところがあるのです。相手が傷ついたそぶりをしても、それを読み取ることが得意ではなく、人の態度をあまり気にしないため発言を悔いる様子もありません。そうした態度がお友達とのトラブルを招くのではないかと心配だったのです。 先生は「彼女のような子が素敵な上級生に育っていくケースを何度も見てきましたから、全然心配ありません」と言い切ってくれました。それを聞いてすごく安心して、学校でのことは、信頼してお任せしようという気持ちになれました。 小学校では、先生にほめてもらいながら、感情を表に出すことや、人との関係性の築き方を、少しずつ学んでいるところです。私も先生方のアドバイスをもらいながら、子どもたちとはできるだけポジティブな言葉でやりとりするように心がけています……が、これがなかなか難しい。 朝の支度の声かけは「早くして!」よりも、「家にまだいたいよね、楽しいもんね」などと言ったほうが、結果、張り切って支度が進むと知識では分かっているけれど、100回のうち99回は「早く!」と言ってしまいます。わかっているのに、ついマイナスの指摘をしたくなってしまう日々です。
まとめ&実践TIPS
今、私は長女の個性を大切にして、良い関係を築くことができています。100%はできていませんが、理解しようとすることを忘れない限り、長女と私の関係性はうまくいくと思っています。もちろん自分との違いにストレスを感じることもありますが、一個人同士ですから違って当然、ストレスを感じて当然だと前向きに考えていきたいです。 今の小学校では長女の個性を理解し、ポジティブに見守ってくれています。ですが小学校を卒業した後までそうとは限りません。そこは悩ましいところです。進学先などを選ぶときには、彼女の希望や胸の内をできるだけ言語化してもらって、叶うところを探してあげたら、あとは本人に任せるしかないと思っています。 個性のためでもそうでなくても、この先も、うまくいかない経験や失敗をたくさんするでしょう。そういう苦い出来事が、何があってもへこたれない力を育ててくれると思っています。 私はこの先もずっと長女と次女の理解者でありたいし、ポジティブな言葉をかけつづけることで、彼女らしく生きられるよう応援したいと思っています。
監修者 山﨑衛 やまざきまもる マインメンタルヘルス研究所(株式会社マイン)代表取締役社長。マインEラボ・スペース代表。公認心理師。臨床発達心理士。特別支援教育士。 企業向けメンタルヘルスサポート事業と、子供向けの発達・学習支援事業を行う。教員への発達支援研修や現場の実践に基づいた学習教材の研究開発、出版を行っている。