デザインだけじゃない、Nothing Phone (2a)は人とスマホの関係性を見直す設計思想が魅力
「スマホを主体的に使う」意識ができあがるモノクロなホーム画面
もうひとつユニークな部分であり、筆者が気に入ったのは、モノクロームなホーム画面へのこだわりです。 Nothingはホーム画面に置けるウィジェットを、20種類以上も用意しています。すべてのウィジェットがモノクロームで作られていて、アイコンを並べるだけですっきりとしたホーム画面を作成できます。 睡眠をサポートするAndroidの標準機能「おやすみ時間モード」では、スマホの全体をグレースケールで表示できますが、Nothingのホームアプリではアプリの色合いはそのままで、ホーム画面をモノクロにできます。 また、アプリのアイコンも含めてすべてモノクロに設定も可能。アプリのアイコンから色をなくして、グレースケールで統一したホーム画面を作れるのです。 単にアプリのアイコンを単色にしただけですが、使ってみるとホーム画面を見るときの誘惑が減って、目的のアプリを探しやすくなります。使いたいアプリにたどり着くまでの操作で、ほかのアプリも目に入ってつい開いてしまうのはよくあることですが、モノクロになることで必要なアプリだけ開いて、用が済んだらスマホの操作は終わりという気持ちになるのです。 漫然とスマホを触るのではなく、主体的にスマホを使おうという意識になります。
Glyphインターフェイスはポモドーロ・タイマーとして使える
先に紹介した、Glyphインターフェイスのリングライトも、スマホから意識を切り離すのに役立ちます。Glyphタイマー機能を使えば、ポモドーロ・テクニックのタイマーとして活用できるのです。 ポモドーロ・テクニックは、25分の作業と5分の休憩を繰り返すことで、集中力を維持しながら効率的に作業を進める時間管理法です。一般的にはキッチンタイマーがよく使われますが、Glyphタイマーはそれとよく似た特徴を持っています。 キッチンタイマーは文字盤の目盛りが減っていくのに対し、Glyphタイマーはリングライトが徐々に消灯していき、さながら蚊取り線香のようです。どちらもアナログ的に時間の経過を可視化するので、直感的に残り時間を把握でき、作業に集中しやすくなります。 また、スマホ画面を見なくても時間がわかるため、ほかのアプリを開いてしまう誘惑を避けられます。時間を設定してスマホを裏返しておけば、リングライトが時間を知らせてくれるので、スマホに触れずに済むのです。 惜しむらくは標準の時計アプリとの連携がないことです。Nothing PhoneはGoogle製の時計アプリを採用していますが、Glyphタイマーの設定はこのアプリとは連動しません。 Glyphタイマーの設定は設定パネルの奥深くに位置しており、少々わかりづらいのですが、通知パネルにショートカットを設置することができます。ただ、ホーム画面の時計ウィジェットを開くと標準の時計アプリが起動するため、Glyphタイマーの設定場所を探し回ってしまった経験が何度かありました。 もしGlyphタイマーが標準の時計アプリに対応していれば、Googleアシスタントの音声入力でもタイマー設定ができるようになるでしょう。ぜひ今後のアップデートで改善されることを期待します。