私の年金「平均額より高い?低い?」平均額を年代で比較しながら年金額を増やす方法を解説
年金は実質的に目減りしている?
年金額が改定しても、賃金の伸びに追いつかないのは、マクロ経済スライドが関係しています。 年金受給額は、以下の項目から毎年4月に改定を行います。 ・物価・賃金変動率 ・マクロ経済スライド調整率 マクロ経済スライドは、年金給付と保険料収入のバランスが保てなくなり、現役世代の負担が重くならないように、給付水準を調整します。 年金額を決める場合、現行制度では67歳以下(新規裁定者)と68歳以上(既裁定者)で、計算方法が違います。 ・67歳以下の改定率:前年度改定率×名目手取り賃金変動率×マクロ経済スライド調整率 ・68歳以上の改定率:前年度改定率×物価変動率×マクロ経済スライド調整率 このように、物価と賃金の変動状況によって、年金受給額は調整されます。
年金の受給額を増やすには?
年金の受給額を増やすためには、繰下げ受給を検討するのも良いでしょう。 公的年金の受給額は、一般的に65歳が支給年齢となります。 しかし、公的年金は、支給時期を任意で早める、もしくは遅らせることが可能です。 ・支給時期を早める:年金の繰り上げ ・支給時期を遅らせる:年金の繰り下げ 年金の支給時期を繰り下げた場合、1ヵ月ごとに0.7%ずつ年金額が増額します。 繰り下げできるのは、75歳までとなるので、最大で年金額は84.0%増額します。 65歳に支給される基礎年金と厚生年金の支給額を繰り下げた場合の年金額を確認しましょう。 65歳の厚生年金が14万3504円だった場合、70歳に繰り下げると20万3775円、75歳まで繰り下げると26万4047円になります。 基礎年金と厚生年金を増額したら、その後の受給額は、生涯にわたって続きます。 また、基礎年金と厚生年金のどちらか一方だけを繰り下げすることも可能です。 以上から、将来の年金受給額を増やしたいのであれば、受け取り時期を繰り下げるのも一案だといえます。 ただし、受給開始までは無収入になることには注意が必要です。また税金や社会保険料、加給年金にも影響するため、総合的に検討する必要があります。