「鶏がまとまって死んでいる」養鶏場で鳥インフル…県内で3年ぶり確認、24万羽殺処分へ
愛媛県は10日、西条市の養鶏場で複数の鶏が死んでいるのが見つかり、遺伝子検査で高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されたと発表した。県内の養鶏場での感染確認は約3年ぶり。県は周辺の養鶏場も含め約24万羽の殺処分を始めた。
9日午前、養鶏場から「鶏がまとまって死んでいる」との連絡を受け、県が簡易検査を実施。10羽のうち7羽が陽性と判明し、その後の遺伝子検査でも陽性が確認された。
県は、西条市の養鶏場から半径3キロ圏内を鶏や卵の移動を禁止する「移動制限区域」、半径3~10キロ圏内を区域外への搬出を禁じる「搬出制限区域」に設定。両区域内の養鶏場などは11か所で、鶏は約29万羽が飼育されているという。
殺処分の対象は、発生が確認された養鶏場や、同じ経営者が管理する今治市の養鶏場など3か所の約24万羽。殺処分の完了まで約1週間を見込んでいる。
県庁では10日、対策本部会議が開かれた。県は防疫対策として、養鶏場周辺に5か所の消毒ポイントを設置するなどした。農林水産省ともオンラインで会談し、殺処分対象になった養鶏場への経済支援を求めた。中村知事は「迅速に防疫対策を行う。鶏肉や卵を食べた人が感染することはないと発信し、風評被害対策にも取り組む」と述べた。