車暴走、死者5人に サウジ当局、容疑者「極右」とドイツに情報提供
ドイツ東部ザクセン・アンハルト州マクデブルクで20日夜、多くの人でにぎわうクリスマスマーケットに自動車が突っ込んだ。独有力誌シュピーゲルによると、子供を含む5人が死亡した。負傷者は200人を超えるといい、死者がさらに増える可能性もある。地元警察は、車を運転していたサウジアラビア出身の医師の男性(50)を拘束し、無差別に人をはねた疑いがあるとみて調べている。 【写真】自動車が暴走したクリスマスマーケットの現場 独DPA通信の報道では、この男性は反イスラム主義活動家としてネット交流サービス(SNS)上で知られ、自らを「元イスラム教徒」と紹介していた。2006年にドイツに移り住み、永住権を取得してマクデブルクから約40キロ離れたベルンブルクに住んでいるという。 警察は単独犯とみて、動機や背景を調べている。氏名は公表されていないが、独メディアは「タレブ・アブドルモフセン容疑者」と伝えた。ロイター通信によると、サウジアラビア当局は男性について、極右的な思想の持ち主であるとして独当局に情報を提供していたという。 独メディアの報道では、車はレンタカーで、露店が並ぶエリアを約400メートルにわたって暴走した。男性は事件直後に拘束された。市内中心部は一時閉鎖された。 ドイツでは16年12月、首都ベルリンのクリスマスマーケットにトラックが突っ込むテロ事件があり、12人が死亡した。この事件では、過激派組織「イスラム国」(IS)を支持するチュニジア人男性が容疑者だった。【五十嵐朋子】