[MOM4804]帝京長岡GK小林脩晃(3年)_青森山田撃破の立役者に…指揮官が絶大な信頼を寄せる守護神が4強へと導くPKストップ!!
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [7.31 インハイ準々決勝 帝京長岡高 1-1(PK3-2) 青森山田高 JヴィレッジP1] 【写真】影山優佳さんが“人気女優”と代表戦を現地観戦「可愛すぎる」「勝利の女神が2人」 3回戦を終えた時点で奪った得点は13。県勢初のインターハイベスト4進出を果たした帝京長岡高(新潟)はプロ注目のFW安野匠(3年)を筆頭にアタッカー陣の攻撃が注目されるが、準々決勝までを無失点に抑えた守備陣の奮闘も忘れてはならない。その中心にいるのは1年生の頃からゴールマウスに立ち続けるGK小林脩晃(3年)だ。 「ゲームを読む力がある。必ず1回は勝負の分かれ目でビッグセーブをしてくれる。こういうPKなどメンタリティーの部分で、ちゃんとゲームと自分をコントロールできる。一見派手ではないのですが、やれることは凄く多いのでチームとしては凄く助かっている。経験値も十分で頼もしいキーパーです」。古沢徹監督が絶大な信頼を寄せる守護神は、青森山田高(青森)と対戦した準々決勝でもチームを救うプレーを披露した。 ここまでの試合は相手を押し込むゲームが多く、危ない場面は決して多くなかったが、この日の対戦相手は前年度の選手権王者とあって、同じようには行かない。青森山田のパワフルな攻撃、そして滑りやすいピッチにフィールドの選手が苦戦したこともあって、前半は3本のシュートを打たれた。 「試合の入りは自分自身も簡単なミスがあって、CKにしてしまった」と反省を口にした通り、自身のプレーにも満足していない。前半11分には右サイドからクロスを上げられるとキャッチに出たが、先に青森山田FW石川大也(3年)が反応。空いたゴールに向かったボールをMF別府育真(3年)に押し込まれ、今大会初失点を許した。 小林は「失点場面も中途半端だったのかなと反省していますし、申し訳ない気持ちもあります」と口にしつつも、「ただ、みんなが絶対に決めてくれるという信頼はあった」。失点以降は落ち着いてボールを動かす場面が増え、前半のうちに同点に追い付くと後半からは相手コートで試合を進めていく。長いボールで押し返されても、DF山本圭晋(3年)らが競り勝っていたため、後半に打たれたシュートは0本。「後半は後ろから見ていても安心できていた。そこまで危なげなかったのかなと思います」。 1-1で迎えたPK戦は守護神としての見せ場だ。「自分自身はPKが得意なのですが、チームとしてはなかなかPK戦で勝てていない歴史がある」。そう話す小林は5本中3本止めれば勝利を引き寄せることができると考えていた。 「これで負けたら自分のせいだ。自分を信じて蹴ってきて」。チームメイトにそんな声掛けをして挑んだものの、4人目までに両チームともに2人が失敗したため、点差は開かない。決着が付いたのは5本目だった。「PKセーブは自分の勘で、こっちかなと信じて動くだけでした」と話す小林が読みを的中させると、後攻のチームメイトがゴールネットを揺らし、勝負あり。帝京長岡が1-1(PK3-2)で勝利した。 1年生の12月から定位置をつかみ取り、今年のチームでは誰よりも試合に出ている。そうした経験をチームメイトに伝えること、そして“アイツがいれば大丈夫”と一番後ろでチームに安心感を与えることが自らの役割だと考えているという。今年の目標として掲げるのは、チームを勝たせるシュートストップをすること。今回はPK戦での活躍ではあったが勝利に導くセービングを披露し、ひとまず目標を達成したがインターハイでの戦いはまだこの先も続く。頼れる守護神は準決勝でもチームに勝利と安心感を与えるプレーを続けてくれるはずだ。 (取材・文 森田将義)