ルフィ事件実行役の「闇バイト」呆然、無期懲役の有罪判決→控訴
●被害者遺族「私は殺人だと思っています。犯人には恨みしかない」
加藤被告人は、公判が始まるまで「(狛江事件の)被害者には触っていない」と供述していたが、その後、証言を変更した。被告人質問で理由をこう述べている。 「被害者をバールで殴ったわけではないので、他の共犯者と一緒にされなくなかった。自分がウソをついて、事件を混乱させたくなかった。弁護人にも言えなかったのは、ウソをついていた手前、言えずにいた。正直に話すことが、被害者への償いの一歩になると思った」 一方、狛江事件の遺族は、被害者参加代理人を通じて意見陳述をおこなっている。 「(被害者)Dの遺体は、ドラマのような安置所ではなく、狭いスペースで布が一枚かけられていました。なかなか遺体に触れられず、現実を受け入れられないでいました。私は泣けなかった。魂だけが体から抜けた感じでした。 バールで20カ所以上殴られたとき、父はすでに20年以上前に亡くなっていますが、『お父さん、助けて』と言ったそうです。被告人質問での発言を弁護士さんから聞き、反省していないと思いました。私は殺人だと思っています。犯人には恨みしかない。極刑にするしかない」
●「インターフォンは押していない」という主張も
足立事件では、永田被告人らと1月20日午前11時ごろ、埼玉県草加市のコンビニの駐車場で、狛江事件で使用したバールと宅配用段ボール、結束バンドなどを載せた車に乗り、足立区のEさん宅付近に向けて出発した。 11時20分ごろから35分ごろまでに間、Eさん宅付近で人の出入りを確認した。その後、1時15分ごろから50分ごろまでの間に、Eさん宅の一階食堂の窓をバールで割り、施錠を外した。そして、押し入れを開けるなどの物色をするが、金品を発見できなかった。 足立事件に関して、加藤被告人は「インターフォンを押していない」と主張していた。以下は、被告人質問でのやりとりだ。 弁護人:共犯者の証人尋問では、音が何回も聞こえたと言っていますが…。 加藤被告人:触れてはいるが、インターフォンを押していない。 弁護人:どうして押していない? 加藤被告人:永田は強盗に執着していた。もし、人が中にいなければ事件を起こさないで済む。不在と言えばいい。そのため、(Eさん宅での犯行について)一回目は中止になった。 弁護人:(Eさん宅での犯行について)二回目は? 加藤被告人:このときもインターフォンを押していない。しかし、強盗をやめて、空き巣をすることになった。 弁護人:中に人がいるかもしれないが…。 加藤被告人:そこまで考えていなかった。