私という人間に興味を持ってくれる男性が何年も皆無...乾き切った42歳の心を潤した「ある再会」【住吉美紀】
そして、リサーチの結果は私には伏せられたまま、番組の収録当日。 1) 見つからなかった 2) 見つかって、ビデオメッセージをくれる 3) 見つかって、日本のスタジオに来ている この3つのどれかになるということだけ聞かされていた。 アメリカでの取材ビデオが流れ、どうやら本人の存在は確認されたらしい。そのままビデオメッセージが流れるのかと待つと、おもむろに、スタジオ入り口のカーテンが上がる。スーツを着た、優しそうなおじさまが立っていた。 「ええっ! Rくん?!」 なんと、Rくんが、この収録のためだけに、日本までやってきてくれていたのだ。驚いた。 Rくんは、良い感じに歳を重ねていた。背は高いままに、髪が薄くなり、幸せなのだとわかるような、適度な恰幅の良さ。地に足着いた落ち着きと、品のある知性が瞬時に感じられた。 そして、瞳を覗き込むと、確かに彼がいた。Rくんだ。ほころんだ笑顔にも、なんと懐かしい、面影が。 「なんてこと、Rくん! このためにわざわざ来てくれたの?」 「そうだよ。昔、ミキは突然、学校から消えてしまって、どうしたのか、しばらく本当に気になっていたんだ。久しぶりに会えてうれしいよ」 遥か遠い海の向こうでの、赤茶けた写真の中だけの過去、本当にあったことかどうかの確信も薄れつつあった思い出が、真であることが証明された。 Rくんは、会社から休みをもらって、生まれて初めて日本に来てくれていた。しかし、Rくんが来るなんて知らなかった私は仕事が詰まっていて、東京を案内してあげることもできなかった。せめてと、帰国日のランチに日本料理をご馳走し、お互いのこれまでについて語り合った。
住吉 美紀