首相、国民民主・玉木雄一郎代表に異例の厚遇 エネ基で提言、官邸で会談
石破茂首相は27日、国民民主党の玉木雄一郎代表と官邸で会談し、政府が今年度中に見直す中長期的指針「エネルギー基本計画(エネ基)」に関する提言を受け取った。原子力発電所の稼働や建て替え、新増設を次期計画に明記するよう求める内容で、玉木氏はエネルギー分野でも政府・与党への働きかけで政策実現を目指す。 【写真】石破首相、駆け寄ってきたカナダの首相に座ったまま握手…首脳会議での映像が物議 提言では、電力の安定供給とGX(グリーントランスフォーメーション)を両立するため「再生可能エネルギーや原子力発電など、脱炭素かつ他国依存度の低い電源を最大限活用する」よう要請。計画の中では「再エネ最優先」「原子力低減」など、二項対立的な表現による電源の特定は行わないよう求めた。 会談で玉木氏は「電力需給が高まっていく中、わが国の経済を安定的に発展させていくためにも安価で安定的な電力供給が不可欠だ。総合的にバランスの取れた新しいエネルギー基本計画を策定していただきたい」と求めた。 また、会談後には国民民主が主張する「年収103万円の壁」の引き上げを改めて要請したことも記者団に明らかにした。首相は地方の首長から税減収の懸念が上がっていることを踏まえ、「地方からもいろんな声がある」と述べたという。 首相は野党党首からの申し入れを国会内で受けることが多く、官邸での面会は異例だ。玉木氏を「厚遇」で取り込み、少数与党での政権運営を安定させたい狙いがありそうだ。