「生活できない」……沖縄の“崖っぷち”もずく漁 救世主は「ファーストペンギン!」のモデル “坪内方式”の革命で再建へ
もずくと言えば沖縄県。うるま市のもずく漁師(36)は毎日6時間潜り、ほぼ休まず働いても年間所得53万円という過酷な状況にありました。これを打開しようと、各地の浜を再建してきた女性経営者に依頼。厳しい指導の下、“もずく革命”を進めています。 【動画を見る】崖っぷち漁師と“女性経営者” 二人三脚の“浜おこし”
■愛するもずくで「食べていけない」
沖縄・うるま市。上空から見ると、エメラルドグリーンの海には長方形のものがいくつも広がっています。その正体は、張られた網に養殖されていたもずくです。農林水産省によると、もずくの収穫量(2023年)は全国の99.5%を沖縄県が占めています。 長いホースを巧みに操って収穫する、もずく漁師の東卓弥さん(36)。「この子たちに種を吐いてもらって」「今の時期の子たちっていうのは…」と、もずくを我が子のように愛します。 毎日約6時間、海の中を潜りっぱなしで駆け回りますが、収入面でも過酷でした。東さんは、去年分の確定申告の資料を手に「(年間所得)53万7300円って書いてあります。どう…どうする!?みたいな」と言います。 漁に使う道具やメンテナンス費が高騰していく中、もずく漁は利益が出にくくなっています。365日ほぼ休みなく働いても、手元に残ったのは53万円でした。 東さん 「生活ができない。借りていたアパート(の家賃)も払えなくなったので、どうにかしなきゃいけない。食べてもいけない」
■しつこい電話で“救世主”にアタック
このどん底な状況を変えようと助けを求めた先が、20代から全国の港を立て直してきたSENDANMARU代表の坪内知佳さん(38)です。崖っぷちの東さんは、ドラマで坪内さんを知りました。 東さん 「思いっきり(電話を)かけたのが(去年)10月」 坪内さん 「『電話が鳴りやまないんです』って事務員からの連絡が…」 東さん 「1日1回かけてたので」 坪内さん 「もう半泣きだったもんね。『もう、来てもらわんとどうにもならんのですよ!』って」 東さん 「首の皮一枚つながった」 1か月近く続いたという“しつこい電話攻撃”を受け、今年1月、坪内さんは沖縄の港の現状を目の当たりに。「これだけじり貧というか、最悪の状況になっている彼らを見て、沖縄の浜でこの浜を再建できたら、日本中やれない浜はないと思った」と振り返ります。