「生活できない」……沖縄の“崖っぷち”もずく漁 救世主は「ファーストペンギン!」のモデル “坪内方式”の革命で再建へ
■怒られても「最高のもずくを届けたい」
坪内さんは東さんの印象について「我が道を行っちゃう。待てって言っても待たない。この15年やってきましたけど、過去一番のトラブルメーカーのわがまま男」と語ります。一方の東さんは坪内さんについて、「怖い」と漏らします。 坪内さん 「何が怖いの? 何がどう怖いの?」 東さん 「なんか、ぴりつくというか。悪魔が降りてきたみたいな」 どんなに怒られても、自分たちの手で最高のもずくを届けたい──。その思いが通じたのか、販売開始から2か月後には、今季のもずくはほぼ売り切れました。「売れました。今のところで2~3トンくらい」と東さん。売り上げは前年の1.5倍に増えたといいます。
■地域を盛り上げ…新たな取り組みも
東さんは今、もずくの“その先”を見据えた新たな取り組みを始めました。収穫の現場を体験できる生産地ツアーを本格化させることです。 東さん 「初めてなんで、本当に。漁師がまさか、こういうことをやるとは思わなかった。手元に届けるもずくがこういうものだと、自分たちの手で発信できる。その形を作ってくれた坪内さんにはすごい感謝です」 もずくで地域全体を盛り上げようと動き始めたばかりの「沖縄うるま船団丸」。東さんはこう話します。「ずっと下を向いて歩いていたところから、上を向いて登るようになって。そういった意味ではひとまず、一つの山は登ったかなって」 (6月28日『news zero』より)