「生活できない」……沖縄の“崖っぷち”もずく漁 救世主は「ファーストペンギン!」のモデル “坪内方式”の革命で再建へ
■手間暇かける“坪内方式”の中身
二人三脚の浜おこしが始まりました。注目したのは、鮮度を保つのが難しく希少な、とれたてのもずくを生で売ること。これまでは、とったもずくは最長で2年間長期保存ができるよう塩漬け。県外の加工業者に原料出荷し、消費者に届けていました。 坪内さんが編み出した“坪内方式”では、原料出荷する前に、早い時期から収穫をスタート。船上では常に海水に漬けておくことで酸化を防ぎます。 港に着くと、陸での仕事です。その日のうちに、手作業で丁寧にパッキング。手間暇をかけ、消費者まで全て自分たちの手で届けます。
■徹底的に“生”にこだわった新商品
東さんを船団長として、水産会社「沖縄うるま船団丸」が今年2月に立ち上がりました。東さんは「このメンバーで今までずっといたんで。大貧乏しているときも。ケンカはするんですけど」と笑います。 そして今年4月、その“生意気”なもずく漁師たちが徹底的に“生”にこだわった新商品「生粋海蘊(なまいき・もずく)」が生まれました。 取引先などを含めた試食会を実施。「とれたてのもずくは緑色になります」「できるだけ鮮度を保った状態」とアピールして提供すると、「茶色いのしか今まで見たことがなかったので、すごい衝撃」「めちゃめちゃうまい。全然違いますね」と好評でした。
■先走って営業し、注意を受ける場面も
今年4月、東さんの姿が東京都内にありました。「今から営業です。アポの電話初めてで、20件くらい電話して全部ダメで」。慣れないスーツ姿で初めての営業に挑みました。 時間配分がうまくいかず、次の営業先に遅刻する場面も。移動中の車内で「まず謝ることからですね…。まず『申し訳ありませんでした』って」と東さんは言いました。 またある時は、坪内さんに相談なく勝手に営業先に売り込みに行き、注意を受けました。「売りたい気持ちが先走って、先に売りに行っちゃおうとした」とのこと。 坪内さん 「私がダメって言ってんの。ダメよ! 隠れて行くって。本当にダメでしょ!?」 東さん 「はい…そうですね。反省してます」 坪内さん 「反省はいいんだけどさ…」