京都・祇園祭のプレミアム観覧席、酒類や料理の提供見送りへ…八坂神社の宮司の異論受け
京都・祇園祭の山鉾(やまほこ)巡行で販売される「プレミアム観覧席」について、京都市観光協会は20日、酒類や料理の提供を見送ると発表した。酒類提供については、祭りを執り行う八坂神社(京都市東山区)の野村明義宮司(65)が異論をとなえ、協会理事を辞任する意向を示していた。協会は「祭りの意義や歴史を学ぶ観覧席にしたい」としている。
プレミアム観覧席は、海外の富裕層向けの試みとして昨年導入。今年は前祭(さきまつり)の7月17日に60席(15万円と20万円)を用意し、6月11日から販売を開始していた。
市観光協会と同神社は20日、同神社で記者会見し、協会の横井雅史専務理事(61)が「宮司の思いをくみ取れていなかったのを大いに反省している」と説明。プレミアム観覧席ではソフトドリンクの提供にとどめ、他の有料観覧席でも酒類の持ち込みを控えるよう周知することを表明した。
昨年のプレミアム観覧席では、酒類と料理を提供していた。野村宮司は「山鉾巡行をショーを見るような感じで、お酒を振る舞うのはいかがなものかという違和感があった。話し合いを持ち、よい祇園祭にしたいと意見が一致した」と述べ、理事辞任を取り下げたことを明らかにした。